「循環型社会を形成するための3つのR」を構造化する(前編)
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文書化能力向上コンサルタントの開米です。
今回は、27日にVoiceLinkを使って行ったオンライン講座の内容をご紹介しましょう。
下記文面、目にしたことのある方も少なくないのではないでしょうか。
「環境負荷の低い循環型社会を形成するための3つの原則」として、これら「3つのR」の考え方が提言され、循環型社会形成推進基本法(2000年制定)などに取り入れられているものですが、私はこれを見たとき、少々違和感を感じたものです。
つまり・・・
こういうところを見ると「ああ、構造化されてないなあ・・・」と思うわけです。
構造化されていないものを見せられるとどうしても丸暗記へ走りやすく、理解が浅くなり忘れやすくなります。
そこで今回のテーマは「背後にどんな仕組みがあるかを考えよう」ということ。
現実の世界というのは、さまざまな仕組みがあって動いています。
自動車には自動車を動かす仕組みがあり、金融には金融を動かす仕組みがあり、組織には組織を動かす仕組みがあります。
世の中を変えるためにはその仕組みを知ったうえで、変えるための手を打たなければなりません。
そこで、仕組みが見えるようにしてみましょう。
というわけで構造化です。
とりあえず、抽象度の高低で構造化してみます。
「上位目標」のほうが抽象度が高く、「下位目標」のほうが低い項目です。
抽象度が高い・低いというのは、「今すぐ行動しましょう」と言われて行動しやすいほうが抽象度が低い(具体的)ということ。
たとえば「廃棄物の発生を抑制しましょう」と言われても抽象度が高いので、具体的に何をすればいいのかわかりませんが、「ゴミを出すときは分別排出しましょう」なら抽象度が低いので具体的に行動ができますよね。
こんなふうに抽象度の高低で分けるのは構造化の常套手段のひとつで、それをすると上図のように、「3つのR」に書かれた情報がいびつに混在する釈然としない構造になりました。
「同じ種類の情報はまとめて書く」というのは情報の構造化の大原則のひとつですから、これはなんだか変です。
一般的に言って抽象度の違う情報を混在させて書くのはよくありません。
たとえば、A(上位目標)のためにB(下位目標)とC(下位目標)をする、という関係がある場合、
それをこんなふうに書いたら変ですよね。
↑これでは、Cが宙ぶらりんになってしまっています。「個条書き」という記法は手軽に使えますが、こういう事態を起こしやすく、「3つのR」もその罠にはまっているわけです。ABCの話なら、たとえばこんなふうに書かなければいけません。
↑「同じ種類の情報はまとめて書く」という原則を守って個条書きで書くとこんなふうになります。
そこで、3つのRの話も「同じ種類の情報はまとめて書く」ように構造化したいのですが、それにはもう一工夫必要です。
(続く)
今回は、27日にVoiceLinkを使って行ったオンライン講座の内容をご紹介しましょう。
下記文面、目にしたことのある方も少なくないのではないでしょうか。
Reduce : 廃棄物の発生抑制、製品の長期使用
Reuse : 使用済み製品等の再使用
Recycle : 使用済み製品を再資源化(再資源化のための分別排出)
「環境負荷の低い循環型社会を形成するための3つの原則」として、これら「3つのR」の考え方が提言され、循環型社会形成推進基本法(2000年制定)などに取り入れられているものですが、私はこれを見たとき、少々違和感を感じたものです。
つまり・・・
「廃棄物の発生抑制」と「製品の長期使用」は、目的と手段の関係になっているのではないか? なぜ「Reduce」の項で同列に並んでいるのだろう?
「製品の長期使用」と「使用済み製品等の再使用」って、環境負荷的な意味は同じじゃないの? それをなぜ Reduce と Reuse に分けて書いているのか?
こういうところを見ると「ああ、構造化されてないなあ・・・」と思うわけです。
構造化されていないものを見せられるとどうしても丸暗記へ走りやすく、理解が浅くなり忘れやすくなります。
そこで今回のテーマは「背後にどんな仕組みがあるかを考えよう」ということ。
現実の世界というのは、さまざまな仕組みがあって動いています。
自動車には自動車を動かす仕組みがあり、金融には金融を動かす仕組みがあり、組織には組織を動かす仕組みがあります。
世の中を変えるためにはその仕組みを知ったうえで、変えるための手を打たなければなりません。
そこで、仕組みが見えるようにしてみましょう。
というわけで構造化です。
とりあえず、抽象度の高低で構造化してみます。
「上位目標」のほうが抽象度が高く、「下位目標」のほうが低い項目です。
抽象度が高い・低いというのは、「今すぐ行動しましょう」と言われて行動しやすいほうが抽象度が低い(具体的)ということ。
たとえば「廃棄物の発生を抑制しましょう」と言われても抽象度が高いので、具体的に何をすればいいのかわかりませんが、「ゴミを出すときは分別排出しましょう」なら抽象度が低いので具体的に行動ができますよね。
こんなふうに抽象度の高低で分けるのは構造化の常套手段のひとつで、それをすると上図のように、「3つのR」に書かれた情報がいびつに混在する釈然としない構造になりました。
「同じ種類の情報はまとめて書く」というのは情報の構造化の大原則のひとつですから、これはなんだか変です。
一般的に言って抽象度の違う情報を混在させて書くのはよくありません。
たとえば、A(上位目標)のためにB(下位目標)とC(下位目標)をする、という関係がある場合、
それをこんなふうに書いたら変ですよね。
1.AのためにBをする
2.Cをする
↑これでは、Cが宙ぶらりんになってしまっています。「個条書き」という記法は手軽に使えますが、こういう事態を起こしやすく、「3つのR」もその罠にはまっているわけです。ABCの話なら、たとえばこんなふうに書かなければいけません。
目的:A
手段:BとC
↑「同じ種類の情報はまとめて書く」という原則を守って個条書きで書くとこんなふうになります。
そこで、3つのRの話も「同じ種類の情報はまとめて書く」ように構造化したいのですが、それにはもう一工夫必要です。
(続く)
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