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「誰かが教えてくれることを信じるのではなく、自分で考えて行動する」ためには、矛盾だらけの「現実」をありのままに把握することから始めるリアリスト思考が欠かせません。「考える・書く力」の研修を手がける開米瑞浩が、現実の社会問題を相手にリアリスト思考を実践してゆくブログです。

驚いたニュース 再生エネルギー特別措置法による買取価格決定

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 今年、一番驚いたニュース、といえば私の場合はこれです。

    太陽光の購入価格、1kWhあたり42円

 再生エネルギー特別措置法による固定価格買取制度の買取価格決定のニュースです。

買取制度 買取価格・期間等 | なっとく!再生可能エネルギー(資源エネルギー庁)

 以前原子力論考でも書きましたが、

原子力論考(47)自然エネルギー利権の誕生

原子力論考(48)今こそ太陽光発電に投資しよう!(嘘)


 開いた口がふさがらない、とはこのことです。

 (47)でも書きましたが、この制度は「金持ちを儲けさせるために貧乏人からカネをむしり取る制度」です。



 発電設備を置ける敷地と自己資金に余裕のある家庭が太陽光発電設備を設置すると、そこで発電した電力を電力会社に売ることができますが、電力会社がそれに払うお金は電力を消費するすべての家庭と事業者が払う「再生エネ賦課金」が原資です。
 「余裕のない家庭」は一方的にそれを払わされることになり、そのお金で「余裕のある家庭」を儲けさせる、というそういう制度です。ちなみに「余裕のある家庭」は補助金ももらえます。開いた口がふさがりません。

 ドイツはこのために「再生エネ賦課金」の額が毎月千円を突破しました。
 自然エネルギーの未来のために、毎月千円ぐらいなら払います・・・か?

 現実には、このことを知らない人が多いのではないでしょうか。

 千円で収まる保証もありませんが、実際のところこんな制度が長続きするはずもないので、2年もすれば見直しになり価格が大幅に切り下げられることにはなるでしょう。

 それにしても、太陽光1kWh42円なんて、正気を疑うぐらいのとんでもない額なんです。

 去年、菅直人首相(当時)がこの制度に固執し、ついに法律が成立してしまいました。が、私はこんな馬鹿な制度は運用段階で骨抜きになることを期待していました。要は買取価格を下げればこういう制度は実質、機能しなくなりますから。その後、買い取り額の調整に難航している、という報道を見ながら私は、どこまで値段が下がるかと期待していました。
 それがフタを開けてみたらこれですよ・・・・

"原子力論考(47)自然エネルギー利権の誕生"

 で書きましたが、事業者側の要望価格よりも高い価格を設定した、ですと・・・????
 おまえら、値下げのために難航してたんじゃなかったのか!!! と。

 正直何が何だかわかりません。将来この一件は、常軌を逸した政策決定の事例として、政治学の研究者が注目することでしょう。ポピュリズムの害悪ここに極まれり、というところです。

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