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「誰かが教えてくれることを信じるのではなく、自分で考えて行動する」ためには、矛盾だらけの「現実」をありのままに把握することから始めるリアリスト思考が欠かせません。「考える・書く力」の研修を手がける開米瑞浩が、現実の社会問題を相手にリアリスト思考を実践してゆくブログです。

書評:できる人の脳が冴える30の習慣

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こんにちは、社会人の文書化能力向上トレーニングをライフワークとしております、開米瑞浩です。

さて今日はその話とは別に書評といきましょう。
先日、誠ブロガーオフ会に出たときにITmedia編集部からいただいたのがこの本です。

「できる人の脳が冴える30の習慣」 米山公啓(医学博士)著
book0926.png (Amazonへリンク)

副題が「なぜ、できるビジネスマンはチョコレートを食べるのか?」
というところが食欲をそそりますね(笑)
あ、一応僕は今ダイエット中なんですが(^^ゞ
でも頭を働かせるためならチョコレートの1粒や2粒は許されるかな?

と、期待を込めつつ読んでみたところ、「30の習慣」の1本目が

「甘いものでリフレッシュし、頭を活性化する」

でした。

 ・脳のエネルギーはブドウ糖だけ
 ・血液中のブドウ糖の50%は脳によって消費されている
 ・ブドウ糖は主にご飯やパン、麺類などのデンプン質の
  食事から体内で作られて脳に供給される

・・・あれ? チョコレートはどこに?(^^ゞゞゞ

そして極めつけがこれ

 ・甘いものばかりでは脳によくない
 ・糖分が多すぎる食事のあとは、動作が鈍くなり、集中力が低下してくる

ちょちょちょっと先生、なんだか僕の好きなチョコレートから遠ざかってるような気がするんですが(笑)!!

と、慌てる必要は本当はなくて、実はその次、「30の習慣」の2本目が

「なぜ、チョコレートを食べると仕事の効率が上がるのか?」

でした(^_^)/

まあ、何事も過ぎたるは及ばざるがごとしで、チョコレートはやはり午後のオヤツにちょこっと食べるぐらいが適正なのでしょうね。

と、こんな感じでこの本は「脳が働く→仕事ができる」ようにするための30の習慣を1つずつやさし~く紹介してくれています。
試しにその30のうちどれぐらいが自分に当てはまるかな? とチェックしてみると・・・

  01.甘いものでリフレッシュし、頭を活性化する
  02.なぜ、チョコレートを食べると仕事の効率が上がるのか?
  06.小銭の出ない払い方をする
  07.ケータイで1日1回つぶやいてみる
  16.アイデアマンになりたければ、仕事以外のことを情報収集せよ
  17.ネーミングはまず100個作ってみる
  19.自分の趣味を仕事に活かすと、いいことづくめ!

の7項目ぐらいでした。うーん、意外と少ない。これは「もっと改善の余地あり」のサインかもしれませんね!

・・・・・・・じゃ、早速チョコレートの量を増やしてみましょうか (・・違うって)

それはさておき、17番の「ネーミングはまず100個作ってみる」これは実は私も企業研修をやるときよく言う話に通じます。
私の本業であるところの「文書化能力(読解力・図解力)向上研修」では、「名前をつける」ということを非常に重視してまして、とにかくありとあらゆる機会に「名前をつける」ワークをやります。

すると、3つぐらいまではわりとすぐに出てくるんですが、たとえば20出そうとするとなかなか難しくなります。
仮にあるソフトウェアが「大量の写真を整理して表示する機能」を持っているとしましょう。
これが「日付別に整理して表示できる」「かんたんに使える」機能だとすると

「日付」関連の名前の候補
  カレンダー式整理機能
  タイムライン整理機能
  日付別整理機能

「かんたん」関連の名前の候補
  かんたん整理機能
  簡易整理機能
  らくらく整理機能

など、それぞれについて数種類の言葉が候補に挙がるので、この組み合わせも入れると5~10個ぐらいまではなんとかなります。
ところが、20個以上出そうとすると、使える用語のバリエーションを広げなければならず、そのためには「まったく新しい切り口」を見つけなければいけなくなります。

たとえば、「日付」系、「かんたん」系に加えて、

「保管する場所、媒体」というイメージで
  キャビネット機能
  アルバム機能
  本棚機能
  フォトブック機能

など。新しい切り口を見つけると、そこで数種類の言葉のバリエーションを増やすことができるわけです。

「100個の名前を考える」となると、こうした「新しい切り口」をいくつも見つけないと不可能で、そのためには自分の記憶を表から裏から洗いざらい引っかき回さなければならないので、頭が働くようになるわけですね。

実際そういう研修をやっている人間として感じるのは、こういう「ある概念を表す名前を考えるワーク」は、普通に思われているよりも難しい、ということです。「新しい切り口を探して自分の頭の中を引っかき回す」ことに慣れていない方が多いんですね。
だから、「ネーミングを100個考える」というのは、そんな頭の中身をもう一度ドンガラガッシャとひっくり返して「自分が知っていることを改めて自覚する」ための非常に良いきっかけになるように思います。

「お、これやってるやってる」と私にピタリと当てはまるのは7つぐらいでしたが、半分ぐらい当てはまるとか、できればこうしたいと願っているものも含めると30個中20個ぐらいは該当しました。ぜひその20個を「ピタリ」に変えて、頭が3倍働くようにしたいものです(笑)


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