成長出来ない人がおちいるワナとは?
はじめに
本ブログでは、某企業の若手社員「私」の"困った""悩んだ"毎日を舞台に、仕事や物事がより円滑に進むようなコミュニケーションのヒントをご紹介します。
「私」は入社3年目の女性社員。学生時代は女子ラクロス部の主将で、基本的には前向きな性格です。仕事にも慣れ自信もついてきた頃ですが、先日希望と違う部署に異動になりました。「私」はややヒューマン・スキルが未熟なこともあり、自分とうまく向き合えず、周囲や仕事とうまくかみ合わず、少々悩み気味です。
「私」を自分に置き換えてもよし。「私」にアドバイスをするつもりで読んでもよし。「ちょっと試してみようか」と思って頂ければ嬉しいです。それでは本編へGO!
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先日リーダーから成長する人が必ずしていることを聞いた。
このことを実践するために、まず自分の顧客とのやりとりが録音されているデータを聞いたのだった。
改めて録音したやりとりを聞いてみると、明らかに正した方がよいやりとりもあって赤面したり、「これはイケてるんじゃない?」と自信につながるようなやりとりもあり、自分の弱みも強みも把握できた。強みの中でも、少しハスキーで大人っぽい声が私のお気に入りだ。これだけキャリアのありそうな声を出せていれば、多少の言い間違いもカバーしてもらえそうだと思う。
さて今日も、大人っぽい声を活かして電話をかけよう!と張り切って仕事を始めた。・・・が、顧客に「もう一度言ってください」「は?」など聞き返される。耳の遠い顧客が多いなぁと思っていたところに、リーダーがまた「どう?調子は」と、声をかけてきた。
私:うーん、あんまりよくないですね。自分の強みを活かせるように意識してるんですが・・・
リーダー:あ、早速録音聞いたの?そうやって行動するのこそ、あなたの強みだと思うけどね。で、録音聞いて分かったあなたの強みって何?
私:はい、ハスキーで大人っぽくて、キャリアっぽい信頼できそうな声です
リーダーは、きょとんとした表情をした。そして私に向かって言った。
リーダー:1個質問してよい?
はいはい、1個でも2個でも。と思いながら答えた。
私:なんでしょう?
リーダー:その強みは、誰が認めた強みなの?
今度は私がきょとんとする番だった。
私:誰って・・・。私がそう思ったんですが
リーダー:他の人、例えば同じチームの人に言われた訳ではないよね
私:はい
リーダーは、ちょっとだけ考えてから、口を開いた。
リーダー:あのね、私は、その声は強みではないと思ってるよ
今度はきょとんですまされない。結構ショックをうけた。
リーダー:あ、誤解の無いように言っておくと、あなたの声は素敵だと思う。ただ、電話口の相手が、聞き取りやすい声では無いと思うんだよ。ハスキーと少し声も小さいところが一緒になって、余計に聞き取りづらくなってる。相手に聞き返されることってない?
私:あります・・・、よく
リーダー:そっか。だからね。もう少し声を大き目に出して、後少しだけ高めの声を出して対応してみたら?そうすれば、聞き返されることは無くなるよ
そうか、よく顧客に聞き直されるのは、耳が遠いんではなくて、私の発声の問題だったんだ。でも・・・。黙った私に、リーダーは確認してきた。
リーダー:他の人に、録音データを聞いてもらわなかったの?
私:・・・はい
リーダー:じゃ、今度から録音データや、自分の対応を、他の人に見てもらってフィードバック(コメント)をもらってごらん。繰り返しになるけど、自分で自分をふりかえったこと、とても行動力があってよかったと思ってるよ。でもそれだけだと、今回のあなたみたいに、正確に状況を客観視できないことがあるんだ。だから、他の人からいろいろフィードバックをもらうとよいんだよ。そうすると、客観性が上がるでしょう?
リーダの言っていることは理解できる。でも、他人にみてもらうのは、正直気持ちが引いてしまうことがある。ダメ出しばっかりされるとやっぱり落ち込むし・・・。その思いをリーダーに伝えてみた。
リーダー:確かにダメ出しゴッコみたいに、言い放しの人はいるよね。あんまりいい気はしないよね。
でもね、なんでフィードバックもらうのか、考えてみると良いよ。なんでフィードバックを受けて、客観性を上げる必要があると思う?
私:・・・わかりません
リーダー:フィードバックを受ける目的は、「現時点の最も適した方法を最短でみつけるため」といえば分かりやすいかな。例えば「あなたの声はこういう特徴があるよ。だからこういう発声の方が、相手は聞きやすいよ」とか。
こうやってはじめにちゃんと客観視できないと、その後間違った努力の仕方をしてしまって、結果的に試行錯誤の時間が長くなるだけだからね。よい方法が見つかれば、それだけ早く、成果に結びつきやすくなるんだよ。
本当はフィードバックする人も、相手がへこんだりしないように、きちんとフィードバックするスキルを身に付けて欲しいんだけど・・・。人に期待するのは時間のロスだから、これは諦めて。
そう言ってリーダーは笑って、私の肩をたたいてデスクに戻っていった。
私は成長するために、まず自分を客観視するために録音データを聞いた。でもその時分析した結果が正しくなかったために、その後の対策もずれた方向に設定してしまったことが分かった。
気持ちの抵抗はまだあるけれど、より客観性を高めるために、誰かに「フィードバックお願いします」と頼むことが、今の私に必要だと思った。
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■今日の元気ワード:ふりかえりが自己満足にならないように気をつけましょう■
他者からのフィードバックは、仕事のスキルを高める時だけではなく、自分の仕事の進め方を省みるときにも使えます。同じような進め方でうまくいかないときは、他者からどうみえてるのか、フィードバックをもらうのは有効です。