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18年間・約4000回のブログを書き続けた私が見つけた新しい文章作成術

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2007年11月20日。私が初めてブログを投稿した日です。それから約18年、ほぼ毎朝キーボードを叩き続け、気づけば投稿数は4000回を超えていました。

今、おそるおそる最初の投稿を読み返すと、あまりの拙さに顔から火が出そうです(笑)。しかし、同時にこうも思います。「継続は力なり」。4000回も書けば、さすがに少しは上達するものだな、と我ながら感心します。

文章力を支える「3つの力」

もともと文章を書くことが得意だったわけではありません。数を重ねることで、文章力、すなわち文章を書くための能力が磨かれてきたのだと実感しています。

では、「文章力」とは何でしょうか?私は、大きく3つの力に分解できると考えています。

  1. 構想力:何について書くか、どんなテーマで、何を伝えたいかを考える力。これは、読書や人との対話、様々な経験といった、その人の「教養」そのものが源泉となります。

  2. 構成力:伝えたいことを、どのような順番で、どのように展開すれば分かりやすく伝わるかを組み立てる力。論理的な一貫性を保ち、話の筋道を作る能力です。

  3. 表現力:季節の移ろいや心の機微、あるいは強調したい事柄を、どんな言葉で紡いでいくかという力。巧みな比喩や引用、無駄をそぎ落とす勇気も、この表現力に含まれます。

長年のブログ執筆は、この3つの力を少しずつ育ててくれる、素晴らしいトレーニングだったような気がします。

私の執筆スタイルが激変!AIとの「共作」時代へ

ところが最近、私のブログの書き方が大きく変わりました。AI、具体的にはGeminiを文章作成のパートナーにするようになったのです。

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現在の私の執筆プロセスは、以下の通りです。

  1. まず、テーマを決め、頭に浮かんだ想いを構成や表現を気にせず、一気に書き殴ります。時間にして10〜20分ほど。

  2. 書き出した文章を読み返し、「まさにこれが伝えたかったんだ!」という核となるメッセージを明確にするため、手直しを加えます。ここまでで約30分。

  3. そして、この「生の文章」をAIに渡し、こう指示します。

    「この文章の要旨を活かして、ブログの記事を書き上げて下さい。」

するとAIは、驚くほど自然で分かりやすいブログ記事を瞬時に生成してくれます。

これは、文章力の3つの力のうち、「構成力」と「表現力」をAIにサポートしてもらうやり方だと言えます。AIが整えてくれた骨格や表現を、今度は私が自分の言葉として納得できるまで修正し、必要に応じて内容を付け加えていく。AIとのキャッチボールを繰り返しながら、「自分の文章」を完成させるのです。

AIがもたらした本当の変化とは?

しかし、ここで最も重要な変化は、作業時間の短縮ではありませんでした。1時間程度かかる毎朝の執筆時間は、今も昔もほぼ同じです。

では、何が変わったのか?

それは、「時間をかける場所」です。AIのおかげで、文章をゼロから書き上げる知的力仕事が減り、その分の時間を「内容を深く吟味し、文章の完成度を高める」という、より本質的な作業に充てられるようになったのです。

ブログ執筆から見えた、これからの社会

この経験を通じて、私は次のようなことに気付かされました。それは、AIを「使いこなす人」と「そうでない人」との間に、今後すさまじい格差が生まれるだろうということです。

ここで言う「そうでない人」とは、「AIを使うことを拒絶する人」だけではありません。「AIを使っているつもりの人」も含まれます。AIに「構想力」まで丸投げしてしまっては、それはもはや自分の文章ではありません。AIが出力したものを鵜呑みにするだけでは、思考は深まらず、AIに「使われる」だけになってしまいます。

この変化は、個人だけの話ではないでしょう。企業も同じです。ソフトウェア・エンジニアのような専門職も、この影響は避けられません。AIを「使い込み、使いこなす」かそうでないかで、企業/エンジニアの格差は決定的なものになるでしょう。

ただ、これは悪いことではないと思います。むしろ、淘汰と再編が始まり、これからの時代にふさわしい、新しいビジネスの秩序が築かれていくのではないでしょうか。

いつの時代も、新しいテクノロジーの登場は、淘汰と再編をもたらし、社会を大きく変えてきました。私たちは今、まさにその急激な転換点に立っています。

たかがブログ、されどブログです。毎朝の小さな習慣が、時代の大きなうねりを気づかせてくれました。この変化の波を恐れるのではなく、AIという新たな「相棒」を使いこなし、時代の波を乗りこなす。今、私たちにはそんな姿勢が求められているのではないでしょうか。

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以下は、この文章を作るためのプロンプトです。

以下の文章の要旨を活かして、ブログの記事を書き上げて下さい。

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私は20071120日から、ほぼ毎朝ブログを書いている。およそ18年間、投稿数は4000回を越えるほどになった。最初に投稿したブログは見るに堪えないほどのお粗末さではある。そんな昔の投稿記事と今のものを比べると、自分でも「なかなかうまくかけるようになったなぁ」と感心する(笑)。

「継続は力なり」という言葉がある。まあ、4000もの投稿をしているわけだから、それなりに文章力が向上しなければ、よほどのバカ者であろう。もともと、文章力があったわけではないが、数を重ねることで能力が磨かれたといえるだろう。

文章力、すなわち文章を書く能力とは何か。大きく、3つの能力に分けることができる。一つ目は、構想力である。何について書こうか、どんなことを伝えようかを生みだす能力だ。テーマを設定する能力とも言える。二つ目は、構成力だ。どのような展開、あるいは順序立てで文章を作ればいいのかを組み立てる力だ。相手にわかりやすく伝えるにはどうすればいいのか、一貫性をどう保つのか、論理的であるかなど、自分の伝えたいことを筋立てて文章の展開や順序を創り出す能力だ。三つ目は、表現力だ。季節の彩りや心の機微、強調したいとこと、しんみりと伝えたいことなどを表現するとき、どんな言葉を紡ぐかを思い浮かべ、綴れる能力だ。適切なたとえ話や引用などもとても表現の大切な要素だろう。また、以下に枝葉をそぎ落とし、幹を残し、そこをうまく伝えることも表現力である。そんな能力を、ブログを書き続けることで磨くことができたと思う。

ブログの書き方が、最近大きく変わった。AIを使うようになったことだ。今どのように書いているかというと、まずは、何を書こうかを考えて、思いついたらそれを一気に書き出してみる。文章の構成や表現をあまり意識することなく、とにかく想いを書き殴る。1020分程度で、まずは一気に書いて、それを見直し、そこに自分の伝えたいメッセージが書かれているかを確認し、必要であれば手直しして、「まさに自分はこういうことを伝えたいのだ!」を言葉にする。そんな手直しを組めても30分もあれば十分である。だいたい、Wordの文章A41ページ、1200文字から1300文字程度となる。

今度は、その文章をGeminiCanvas機能を使って、次のプロンプトで指示を与える。

「この文章の要旨を活かして、ブログの記事を書き上げて下さい。」

そうすると、見事なブログ記事を瞬時に仕上げてくれる。

文章力のうち、構成力と表現力をAIに頼っていると言ってもいいだろう。ただ、構想力をAIに頼ることはできない。これについては、言わば教養がものを言う。教養とは、沢山の本を読む、沢山の人と話す、沢山のことをやってみるといった経験の蓄積に他ならない。イントラダイバーシテイがなければできないことで、これをAIに置き換えることは今のところは難しそうだ。いや、そこまでAIに任せてしまうと、もはやそれは自分の文章ではなくなって仕舞う。

そうやってできあがった、いや、生成された文章をCanvas上で表現や内容を自分の言葉として納得できるように訂正し、必要に応じて、内容を追加する。内容を追加するには、「以下の内容をこの文章に組み入れて下さい」とプロンプトで指示を出す。そんな編集作業をひとしきり繰り返すことで、「自分の文章」を完成させそれを投稿する。

このやり方で、文章作成の作業時間が短縮されたわけではない。つまり、文章を「書き上げる」という知的力仕事を減らし、むしろ内容を吟味し、文章の完成度を高めることに費やす時間を増やすことができるようになった。結果として、文章量も増えたわけだが、毎朝のブログを書く作業時間(約1時間程度)が大幅に削減できたわけでない。

こういう経験を通じて気がつくことは、AIを使いこなすことができる人と使いこなすことができない人との格差が一気に高まるだろうなと言うことだ。「使いこなしているつもりの人」「使うことを拒絶している人」は、淘汰されテイクであろうという世界である。これは、個甚だけの話しではない、企業も同じである。まさに、そんな社会の変化が急速に進んでいると感じる。

これはある意味健全なことなのかも知れない。いつの時代もこのような淘汰の先に新しい社会が築かれ新たな常識に上書きされる。そうやって社会は発展していくのだろう。

ついでながら、システム開発を生業にしているソフトウエア・エンジニアや企業はこの影響をもろに請けるだろう。そして短期間のうちに淘汰が進み、格差が拡大し、新しいビジネスの秩序が築かれていく。

たかが、ブログからの思いつきであるが、まさに我々はそんな時代の急激な転換点にいることを気付くこととなった。

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