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営業はお客様の「あるべき姿」を実現するプロデューサー

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営業という仕事は、単に商品を売るだけでなく、お客様を「幸せ」に導くプロデューサーのような存在です。

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では、プロデューサーとは何でしょうか?それは、何か大きな目標を達成するために、企画を立て、必要な人やモノ、情報などを集め、全体の進行を管理し、最終的な結果に責任を持つ人のことです。つまり、営業はお客様を幸せにするという目標に向けて、様々な役割を担うプロフェッショナルと言えるでしょう。

お客様の「幸せ」とは何か?

営業がプロデューサーとして目指すべきお客様の「幸せ」とは、お客様が心から望む「あるべき姿」を実現することです。

ここで大切なのは、お客様の「こうして欲しい」という表面的な要望にそのまま応えることではない、という点です。例えば、「このシステムが欲しい」「この機能をつけて欲しい」「あのサービスを使いたい」といったご要望は、「あるべき姿」を実現するための手段に過ぎません。お客様は、これらの手段を使って、最終的にどのような結果や状態を手に入れたいのでしょうか?

「なぜ?」を問いかける営業

お客様から「○○(製品名)を導入したいんだけど、相談に乗ってくれる?」と言われた場面を考えてみましょう。もしここで、「はい、喜んで!○○の機能はですね...」と、すぐに製品の説明を始めたとしたら、それは営業として十分な役割を果たしているとは言えません。

このような時こそ、プロデューサーとしての腕の見せ所です。まずはお客様にこう問いかけてみましょう。

「なぜ、○○を導入したいとお考えですか?」 さらに続けて、 「○○を導入することで、どのような成果や結果を実現されたいのでしょうか?」

この問いに対して、お客様は「人を増やさずに売上を2倍にしたいんだ」「お客様からの問い合わせが増えて、今の人数では対応しきれないから、効率を上げて対応できるようにしたいんだ」といった、真の目的や目指す姿を話してくれるはずです。この目的こそが、お客様が実現したい「あるべき姿」であり、これを達成することこそがお客様の「幸せ」なのです。

最善の策を見つける

お客様の求める「あるべき姿」を達成することが、営業の最大の目標です。お客様は、そのための手段の一つとして○○の導入を考えているのかもしれません。しかし、営業であるあなたは、そこで立ち止まって「本当にそれが最善の策なのか?」と徹底的に考える必要があります。

もしかしたら、○○以外の製品の方が適しているかもしれません。あるいは、製品を使わずに仕事のやり方を変えるだけで解決する可能性もあります。お客様の「あるべき姿」を実現するために何が一番良い方法なのかを深く考え、それを提案することが何よりも優先されます。その上で、もし○○が圧倒的に優れた製品であり、それが最善の策だと確信できるなら、自信を持っておすすめすれば良いのです。

お客様が本当に求めているのは、○○という製品を使うこと自体ではありません。自分が望む「あるべき姿」を実現することです。それに応えることができれば、営業はお客様からの厚い信頼を得ることができます。たとえその場で自社製品が売れなかったとしても、「この営業にはまた相談したい」と思ってもらえるはずです。もし自社製品が本当に競争力のあるものであれば、結果としてそれが最善の選択となり、売上にも繋がるでしょう。

「あるべき姿」を共に探す

お客様自身も、漠然と「こんなことができたらいいな」と考えているだけで、「あるべき姿」が明確になっていない場合もあります。そんな時は、お客様にとっての「あるべき姿」を一緒に見つけ出すのも営業の重要な役割です。

例えば、「お客様が本当に成し遂げたいのは、ウェブサイトへのアクセス数を大幅に増やすことですね?」といったように、営業がお客様の状況から「あるべき姿」を想像し、それを仮説として提示してみるのです。最初から正解でなくても構いません。こちらの考えた仮説をお客様にぶつけてみましょう。そうした対話を繰り返すうちに、お客様自身の中で「あるべき姿」の具体的なイメージが固まっていきます。そこまで来れば、前述のように具体的な手段(○○の提案など)を検討するチャンスが生まれます。

営業のやるべき仕事の整理

改めて、営業がプロデューサーとしてやるべき仕事を整理すると、次のようになります。

  1. お客様の表面的な要望の奥にある、真の目的や「あるべき姿」を深く理解する。
  2. お客様の「あるべき姿」を実現するために、自社製品にとらわれず、最も効果的な「最善の策」を共に考え、具体的に提案する。
  3. 提案した「最善の策」の実行をサポートし、お客様の「あるべき姿」実現まで伴走する。

営業はこのような、お客様の未来を一緒に創り上げていく、やりがいのある仕事なのです。

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