【図解】コレ1枚でわかるリーン・スタートアップ
「リーンスタートアップ(Lean startup)」とは、起業家であるエリック・リース(Eric Ries)が自らの体験を元に体系化したスタートアップの方法論です。
スタートアップとは、「新しいビジネス・モデルを成功させ、ごく短時間のうちに急激な成長を狙う組織」であり、そんな組織を管理する方法を使って新規事業開発の成功確率を高めるようというマネージメント手法です。
リーン(Lean)とは、「贅肉がなく引き締まっている」という意味で、「ムダの徹底的排除」というトヨタ生産方式の根底にある思想です。このトヨタ生産方式の方法論を「新しいビジネスモデルの開発」に活かし、新規事業を実現するための組織運営やアプローチの方法として示したのがリーンスタートアップです。具体的な手順は次の通りです。
構築:アイデアを練り、それがうまくいくかどうかを確かめるために必要不可欠で、実際に使って確かめることができる最低限の機能を持った試作品、すなわちMVP(Minimum Viable Product)を短期間で作ります。
計測:MVPを顧客に提供して、その反応を観察しデータを集めます。
学習:観察結果やデータを分析し、製品、サービスが市場に受け入れられるか否かを判断します。そして、MVPを改善します。ただ、仮説そのものが誤りだと判断された場合には、仮説を見直して、アイデアを練り直すことや撤退も含めて大きく方向転換すること、すなわち「ピボット」も考慮します。
このサイクルを短期間に繰り返すことで、新規事業の成功率が飛躍的に高められると言うわけです。
このような「リーンスタートアップ」はあくまで、新規事業を生みだすためのマネジメント手法であり、新しいアイデア自体を生み出す手段ではありません。そこで「デザイン思考」で、まずはアイデアを生みだし、「リーンスタートアップ」で成功確率を高めるのが、現実的なアプローチと言えるでしょう。
ただ、現在のような不確実なビジネス環境の中で取り組むことになる「リーン・スタートアップ」ですから、圧倒的なスピードが不可欠です。また、何としてでも実現しようというパッション、失敗するかも知れないし、場合によっては既存の事業を置き換えてしまうかも知れないというリスクをも許容できる組織文化が必要となります。