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ブログ投稿が3340回/16年間になりました

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20071120日に最初のブログを投稿し、昨日で丁度16年、3340回になりました。思えば、よく続いたものです。最初は、自社のホームページにのみ投稿していましたが、その後はITmediaの本ブログも加わり、いまは、週次は自社サイト、平日は、毎日ITmediaという棲み分けで、投稿を続けています。

blogger_oldman_m.png我らがブログの師匠である林雅之さんは、ほぼ同じ期間で6000回を達成されていますので、流石にこの偉業には及びませんが、私も、よくまあ続いたと思います。

最初のブログを読み返すと、よくもこのような文書を平気で投稿していたものだと恥ずかしくなります。しかし、継続は力なりです。まだまだ道半ばとはいえ、その時に比べれば、だいぶマシな文章が書けるようになりました。

「ブログを始めたいのですが、誰かに批判されたることが怖くて、ためらっています。」

そんなご質問を頂くことがあります。私は、次のように答えています。

「最初は誰も見てくれませんよ。せいぜい友人や身内だけです。批判を頂くようになれば、たいしたものです。それまでには、相当の時間がかかりますから、余計な心配をするよりも、まずは書き始めてはいかがですか。」

次のようなご質問を頂くこともあります。

「ブログを書くための決心というか、やる気スイッチを入れるにはどうすればいいのでしょうか。」

私は、次のように答えています。

「余計なこと考えずに、始めることです。そして、続けることです。そうすれば、決心は固まります。決心とは、行動の結果として、備わるものです。何もしないで、決心を固めることはできません。"続ける"ことは、最初は努力が必要ですが、続ければそれは習慣になり、できないことが気持ち悪くなります。朝起きて歯を磨かなければ、気持ち悪いと感じるのと同じです。そうなれば、決心できますから。」

ブログを書き始めて、次のような恩恵がありました。

  • 知識や思考が整理できる
  • 話し言葉が磨かれる
  • 仕事が増える

知識や思考が整理できる

私の仕事は、講義や講演で、事業戦略のアドバイスをさせて頂くことも少なくありません。講義や講演は、年間130回ほどこなしています。このような仕事をする上で、大切なことは、自分の知識や思考を整理しておくことです。

仕事柄、書籍やネットで毎日のように様々な情報を集めていますが、それだけでは使いものになりません。それらの情報の断片をつなぎ合わせ、物語として組み立て直す必要があります。文章にすることで、始めて、情報の断片が論理的に結びつき、それらの構造や関係がはっきりします。また、「文章にできない」ことで、情報の欠落や自分の理解の曖昧さに気付かされます。その気付きが、不足を補い、納得できる筋立てを作ろうとする動機付けとなり、さらに調べ、学ぶきっかけを与えてくれるのです。

言わば、「仕事のための基礎体力作り」を、ブログを書くことで行っているわけです。毎朝のジョギングで体力を維持している人、毎日の庭の水やりで季節の花木を楽しんでいる人と、同じようなことを仕事のためにやっているようなものです。

また、「書くことは捨てること」でもあります。あるテーマで文章を書き、ブログで公開すれば、しばらくは同じテーマで書くことはできません。つまり、そのテーマを捨てて、新しいテーマに取りかかる機会を得るわけです。おかげで、知識の幅を拡げることもできます。

言葉が磨かれる

講義や講演、アドバイザーという仕事の商品は、「言葉」です。どれほど経験が豊かでも、幅広い、あるいは専門的な知識を持っていても、「言葉」という商品を磨かなければ、売り物にはなりません。ブログを書くことで、そんな商品力を磨いているわけです。

冒頭にも書きましたが、投稿を始めた最初の頃の「言葉」は、粗雑で内容も薄く、商品価値などありませんでした。しかし、書き続けることで言葉は徐々にわかりやすく内容のあるものに磨かれていきます。

かつて、文章の書き方についてのハウツー本も読みましたが、結局は経験を重ねるのが一番の教師です。まだまだ、未熟な文章ではありますが、最初に比べれば、だいぶマシになりました。

言葉とともに私が大切にしているのは、「図表」です。「言葉」が先か「図表」が先かとよく聞かれるのですが、これはどちらの場合もあります。ただ、言葉を書いて、それを図表に仕立て、その図表を書きながら、言葉を訂正することを繰り返していますから、これらは補完関係にあります。

「言葉」は、論理構造を組み立てるために大いに役に立ちます。一方、「図表」は、説明力/説得力、つまり分かりやすさと納得感を補強してくれます。あくまで主人は「言葉」であり、「図表」は、言葉という主役を支える脇役です。名主役は、名脇役なくして輝くことはありませんから、どちらも欠かせませんが、ブログを書くことで、この両者の価値を磨く機会が作られます。

このような作業の数をこなしても、それらを全て使うことはありません。ただ、膨大な言葉や図表の組合せパターンを作り続けているわけで、それ相応のデータベースができあがっています。ですから、突然の質問に答えるにも、あるいは、その場で何かを話さなくてはならないときにも、困ることはなく、そのパターンをいくつか組み合わせることで、直ぐに対処できます。

もちろん、答えられないことも多々あるわけですが、何が分かっていることなのか、何が分かっていないことなのかを知ることも容易になります。また、論点を絞り、対話を整理することにもこのデータベースは力を発揮してくれます。

パネルディスカッションでのパネラーとして、あるいは、ファシリテーターとして、仕事をさせていだくときにも、予め台本を用意しなくてもできるのは、このデータベースのおかげです。

また、ブログを書くというのは、自分の考えや知識を言葉にして人前に晒すことです。当然ご批判を頂くこと、あるいは、誤りをご指摘頂くことも少なくありません。そうやって、反省や改善の機会を頂けるわけで、これは大変有り難く、さらに言葉を磨く機会となるわけです。

仕事が増える

ブログをご覧頂いた方から、講義や講演のご依頼を頂くことは少なくありません。また、自己紹介をさせて頂くときに、ブログも合わせて紹介します。そうすると、説明の時間を大いに短縮できます。言わば、どのようなことを伝えられるのかの信用証明になります。

ブログをきっかけに書籍を書く機会も頂きました。これもまた、自分の信用証明になり、書籍をご覧頂いた方から、仕事のご依頼を頂くこともあります。

こうなると、ブログは、世間に対する自分の存在証明であり、広告塔です。もはや辞めるわけにはいきません。

大企業ではありませんから、看板は自分の名前しかありませんし、自分ひとりで維持しなくてはなりません。ブログを辞めれば、自分が世間から消えてしまいます。そんな心配が、ブログを書くことを後押ししてくれます。

書きたいことがあるから書く!と言えば聞こえがいいのですが、書きたくない日もあり、書きたくても言葉が下りてこないこともあります。それでも、毎日書けるのは、そんな不安感があるからでもあります。

「毎日ブログを書くなんて、大変ですね、凄いですね、大変な努力ですね」

このようなこと言われることがあるのですが、私にとっては、習慣ですから、頑張っているわけでもなく、努力もしていません。習慣で書いているわけで、朝、歯を磨くことと大差ありません。会社に行くために毎日通勤電車に乗ることと、それほど違いはありません。それが仕事なのですから。

「知識や思考が整理でき、言葉が磨かれ、仕事が増える」のですから、ブログを辞める理由はありません。頑張ってもいないし、努力もせずに、このような機会を与えられるのは、ありがたい話です。とてもいい人生の財産を手に入れたみたいなものです。だからまだしばらくは続けようと思います。

今後とも引き続き、皆さんにご覧頂けるに値する内容にすべく、精進致しますので、引き続きお付き合いください。どうぞ、宜しくお願い致します。

神社の杜のワーキング・プレイス 8MATO

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斎藤昌義 著
A5判/384ページ
定価2,200円(本体2,000円+税10%)
ISBN 978-4-297-13054-1

目次

  • 第1章 コロナ禍が加速した社会の変化とITトレンド
  • 第2章 最新のITトレンドを理解するためのデジタルとITの基本
  • 第3章 ビジネスに変革を迫るデジタル・トランスフォーメーション
  • 第4章 DXを支えるITインフラストラクチャー
  • 第5章 コンピューターの使い方の新しい常識となったクラウド・コンピューティング
  • 第6章 デジタル前提の社会に適応するためのサイバー・セキュリティ
  • 第7章 あらゆるものごとやできごとをデータでつなぐIoTと5G
  • 第8章 複雑化する社会を理解し適応するためのAIとデータ・サイエンス
  • 第9章 圧倒的なスピードが求められる開発と運用
  • 第10章 いま注目しておきたいテクノロジー
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