いつも未熟であり続けられることが営業という仕事の醍醐味でしょうか
大学を卒業し、新入社員として営業部門に配属されたのは、もう30年以上も前の話です。13年間、日本IBMの営業として仕事をさせてもらいました。日本IBMを退職し独立して、仕事のカタチは、いろいろでしたが、自分の社会人としての国籍は「営業」であり、そのことをとても誇りに感じています。
そんな、30年以上の営業人生を振り返り、営業と言う仕事について、書いておこうと思います。
まず、営業が何よりも大切にしなくてはならないことは、次の一点に尽きるでしょう。
「いかなる状況にあっても、必ず数字を達成すること」
景気が悪くなった、お客様の業績が悪くなった、お客様の責任者が替わってしまった。できない理由は、いくらでもあります。そんな状況にあっても、知恵を絞り、人のつながりを拡げ、新たな解決策を見つけて、何としてでも数字を達成する。そんな数字への絶対的な執着心こそが、営業という仕事の根源です。
まだ、若い頃に当時の上司に言われたことがいまも頭に残っています。
「営業の人格は数字で決まる」
けだし名言だと思います。どんなに人としていいヤツでも、数字を達成できない営業は、営業としての人格は、低いということです。ならば、何をしてもいいのかということにはなりません。私は、営業として、次のことを大切にしてきました。
営業は、儲けようとしてはいけない。お客様に儲かってもらいましょう。
営業は、説得してはいけない。お客様の「あるべき姿」を語りましょう。
営業は、お願いしてはいけない。お客様からお願いされるようになりましょう。
これができれば、売り込む必要はありません。案件は向こうからやって来ます。数字は、結果としてついてきます。
そのためには、お客様の先生、あるいは、医者となり、お客様に頼られる存在となることです。ITのこと、業務のこと、経営のこと、いろいろなお客様の「何とかしたい、どうすればいいのか」の良き相談相手になることです。
日頃お世話になり、信頼している先生や医者に言われたならば、誰も逆らうことはありません。言われたとおりにしようとするはずです。そういう関係になれば、売り込む必要なくなります。
もちろん、自社の製品やサービスを使わないことが、お客様に取っての最善であるならば、それを薦めなくてはなりません。結果として、その案件は、自分の数字にならなくても、それは仕方がありません。お客様が幸せになることを最優先すればいいのです。そういうことができて、営業はお客様との信頼関係を気付くことができるのです。
例えその案件では、自社に売り物がなく、数字にはならなくても、このような信頼関係があれば、必ずまた相談してもらえます。そんなお客様が沢山いれば、案件は向こうからやって来て、困ることはありませんし、結果として、数字はついてきます。
先生や医師であろうとするならば、自分の仕事に関わることの知識は、お客様以上でなければなりません。高いお金を払ってフレンチを食べるのは、自分ではそんな料理が作れないからです。
お客様が知らないことを教えてあげる
お客様が悩んでいることに解決の筋道を示してあげる
お客様と一緒に考えて最善策へと導いてあげる
この役割を果たせずして、営業は務まらないのです。
簡単にできることではないと、お考えの方もいらっしゃると思います。だからこそ、営業と言う仕事は楽しいのです。いつまで経っても未熟でいられます。もっと学ばなくては、もっとも極めなくてはと思い続けることができるのです。理想とすべき、あるべき姿は、はっきりと描けているのに、いつまでたってもたどり着けません。だから、営業という仕事は一生の仕事になるのです。
日々の暮らしは?買物、病院、学校は?気になることを八ヶ岳暮らしの人に聞いてみよう!
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次期・ITソリューション塾・第44期(2023年10月4日[水]開講)の募集を始めました。
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ITに関わる仕事をしているならば、このような変化の本質を正しく理解し、自分たちのビジネスに、あるいは、お客様の事業活動に、どのように使っていけばいいのかを語れなくてはなりません。
ITソリューション塾は、そんなITの最新トレンドを体系的に分かりやすくお伝えすることに留まらず、その背景や本質、ビジネスとの関係をわかりやすく解説し、どのように実践につなげればいいのかを考えます。
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2022年10月3日紙版発売
2022年9月30日電子版発売
斎藤昌義 著
A5判/384ページ
定価2,200円(本体2,000円+税10%)
ISBN 978-4-297-13054-1
目次
- 第1章 コロナ禍が加速した社会の変化とITトレンド
- 第2章 最新のITトレンドを理解するためのデジタルとITの基本
- 第3章 ビジネスに変革を迫るデジタル・トランスフォーメーション
- 第4章 DXを支えるITインフラストラクチャー
- 第5章 コンピューターの使い方の新しい常識となったクラウド・コンピューティング
- 第6章 デジタル前提の社会に適応するためのサイバー・セキュリティ
- 第7章 あらゆるものごとやできごとをデータでつなぐIoTと5G
- 第8章 複雑化する社会を理解し適応するためのAIとデータ・サイエンス
- 第9章 圧倒的なスピードが求められる開発と運用
- 第10章 いま注目しておきたいテクノロジー
神社の杜のワーキング・プレイス 8MATO
8MATOのご紹介は、こちらをご覧下さい。