神社の杜のワーキングプレイス 8KUMO 伐採の続き
こんなにも赤松が生えていたのだと驚いています。そのほとんどは、伐採を終えました。
別に赤松を目の敵にしている訳ではありません。ただ、赤松は一年中緑の葉っぱを付けていることから、森の地面への陽射しを遮り、広葉樹の芽吹きや成長を邪魔してしまいます。広葉樹の「さやさやの森」を目指すには、邪魔な存在です。
また、これほど密集して群生していると、俗に言う「マッチ棒」のような木が多く、根が浅くて倒れやすく、また折れやすくなってしまい、人々が集うキャンプ場としては、危険な存在になってしまいます。
そんなわけで、赤松を中心に伐採をしたわけですが、ご覧の通り膨大な本数になりました。太いものでは、樹齢60年〜70年、まっすぐとのびた立派な木もありました。私の年齢と変わりません。だから伐採の前には、お清めの塩を撒き、手を合わせて木への感謝と、作業の安全を祈願しました。
もちろん切った赤松はムダにはしません。特に立派な太い丸太は、その自然な形を活かした建物の梁にします。とても存在感のある大きな曲り梁になります。もちろん、ここの施設でも使わせてもらいますが、他の建物の建材としても活躍してくれるはずです。また、製材して、その他建材としても使えるでしょう。比較的細かったり、曲がったりしたものは、ここで使う薪ストーブの燃料やスウェーデントーチとして、使わせてもらいます。
現時点での正直な印象を言えば、重機によって「破壊された森」といった光景です。しかし、これから整備が進み、そして時間がたつと「実生」の広葉樹が育っていきます。
「実生」とは、まさにその言葉通り、「実が地面に落ちて、種が蒔かれ、そこから生えてくる」木々のことです。小楢(コナラ)や山桜(ヤマザクラ)、瑞樹(ミズキ)や黐の木(モチノキ)などが生えていますから、彼らが実を落とし、種を蒔いてくれるはずです。日当たりも良くなったので、元気に育ってくれるに違いありません。「木の長い」話しですけど(笑)。それでも既に、広葉樹に囲まれ、空が広く抜けた森になりました。
伐採した丸太の搬出や整備などで、あと10日間ほどの作業になるそうです。その後は、井戸を掘ります。どれくらいの深さを掘らなければならないかは分かりませんが、丘の上なので少し深くはなるはずです。隣の尾根では80m掘ったそうです。ただ、きっと美味しい水か湧き出てくるはずです。それでコーヒーを淹れたら最高でしょう。それもまた楽しみなひとつです。
実は、この辺りは、「八ヶ岳南麓高原湧水群」と言われ、八ヶ岳南方にある権現岳水源林の水や八ヶ岳南麓に降り注ぐ雨水が、地下水として火山岩を浸透し、丁度傾斜が緩やかになるこの辺りで湧き出している地域です。1985年に名水百選に選定されています。
近くには、「三分一湧水(さぶいちゆうすい)」、「女取湧水(めとりゆうすい)」、「大滝湧水(おおたきゆうすい)」などの有名な湧水地があり、昔から地元の農業や生活を支え、実り豊かな里山を作ってきました。
「神社の杜のワーキングプレイス 8KUMO」は、そんな自然の恵みと一体になりながら、仕事や議論に打ち込める場所にしたいと思っています。