神社の杜のワーキング・プレイス8KUMO なぜ作ることになったのか
八ヶ岳南麓のこの場所に「神社の杜のワーキング・プレイス8KUMO(やくも)」を作ろう。そう思い立ったのは、この地に住むようになって数年目の頃でした。
とにかくこの場所は、とても気持ちが良いのです。
標高1000m、8KUMO のある北杜市大泉は、真夏でも都心に比べ低湿度の気候で快適です。木陰に入れば汗もスッと引き、夜はエアコンなしでもぐっすりと眠れます。また、日照時間日本一という恵まれたエリアでもあり、真冬でも晴天の日の日中は暖房なしで過ごせる日も多く、過ごしやすい気象条件です。冬の降雪も数回ほどで、降っても直ぐ解けて、雪下しの心配もありません。
そんな場所ですから、人気も高く、コロナ禍以降、このあたりの中古別荘や土地を探す人が増えて、不動産物件が、ない状態が続いているほどです。最近は、定住者も増えてきています。
「そんなところで仕事をすると、集中できるし、捗って良いですね」
そんなことを、よく言われますが、残念ながら、なかなかそうはなりません。気持ちが良いので、雑草の刈払や薪割り、庭や森の手入れなどを始めてしまうことが多くて、なかなか仕事に集中できないのです(笑)。それでも、ものを考え、アイデアをまとめ、文章を書くなどの創造的な時間は、森やこの土地の力に大いに助けられています。
そんな場所に、誰もが気楽にやって来て、仕事のできる場所を作れば、喜んでもらえるのではないか。そう考えるようになったのがきっかけした。
ならばとうことで、まずは、古民家を探し、それを改装して、コワーキング・スペースにしようと物件を探しました。探し始めて、いろいろなことが見えてきました。
この地域の集落は、例に漏れず過疎が進んでいます。そのため、働き手の多くは都会に暮らし、空き家率は6割ほどです。しかし、仏壇や荷物があると言うことで、貸そうという方は、見つかりません。また、仮に借りることができても、古い建物は、それなりに改装に手間や費用がかかります。加えて、喫茶店やレストランなど、一時をそこで過ごすようとであれば、「古民家の雰囲気」は、大いにウリになるのですが、一定期間滞在して仕事をする場所となると、そのウリは、きっけづくりの最初だけで、むしろ使い勝手の悪さが目立ち、コワーキング・スペースとしては、必ずしもふさわしいとは言えないことが分かってきました。そこで、方針を転換し、土地を探して、ワーキングスペースとしてふさわしい建物を建てることにしたわけです。
幸いにも、地元の不動産屋さんとは懇意になり、「地元ならではの物件」つまり、お友達つながりとでも言うのでしょうか、「近所なのでガキの頃はよく遊んでいましたよ」という方から2700坪の土地を譲って頂けることになりました。
傾斜地であり、鬱蒼とした森でもあり、インフラも何もありません。そんな土地でしたから、破格でした。ただ、とても風景が良く、また、立地も申し分なく、なによりも空気が素晴らしく、一目で気に入り、購入を決めたわけです。
最初はそれなりの建物を建てることも考えました。しかし、この立地を活かすのであれば、森の自然を満喫できるキャンプ場をつくり、その森の全てをWiFiでアクセスできるようにして、ワーキングに必要な設備を充実させることで、「アウトドアで働く」というワークスタイルを発信するのも悪くないと考えるようになったわけです。
来年の春のオープンに間に合うかどうかは、微妙なところですが、皆さん頑張ってくれています。きっと、新しい体験を楽しんで頂ける場所になると思っています。