「提案書」を作るとはどういうことか、どう作ればいいのか
お客様の「あるべき姿」を示し、それを実現するための物語を綴ったもの
提案書をひと言で表すとすれば、こんな表現になるでしょう。
決して、お客様の言われたとおりのことを実現する事ではありません。こうしたい、こうなっていたいなどのお客様の言葉から、どうなることがお客様にとっての成功なのかをはっきりと定義し、それを実現することをお客様と合意することです。こちらの勝手な思い込みではなく、お客様も是非そうなりたいと思える結果、すなわち「あるべき姿」をともに実現してゆきましょうと合意することから始めなくてはなりません。
それが具体的にどのような姿なのかは、こちらから、まずは示してあげることです。つまり、こちらの正解を示すことなのです。そのためには、テクノロジーやビジネスについての知識がなくてはなりません。そのことについて、お客様よりも詳しくなければ、あなたの営業やエンジニアとしての存在価値はないのです。当たり前のことですが、自分より相手の方が優れている、あるいは、自分にはできないことがあるから、お客様はそれに対価を支払う価値を見出すのです。
営業にとって必要な価値とは、お客様より優れた正解を示せる能力であり、知識だと言えるでしょう。エンジニアであれば、それを最もふさわしいテクノロジーで実装できる能力かもしれません。いずれにしろ、相手より優れた何かを持たなければ、存在意義はないのだと言うことを自覚し、それを磨く努力を怠るべきではありません。
また、「あるべき姿」を示すことができても、それが魔法のごとく直ちに実現できる訳はありません。時間軸に沿って、どのように作業を進め、また、費用や体制はどのように推移するのかを分かりやすく表現することです。
ITに関わる提案の多くには、できあがりの現物はありません。あくまでも未来にできあがることを約束する訳ですから、具体的にいつまでに何をすればいいのか、いくらかかるのか、結果としてどうなっているのかがはっきりとイメージできる内容でなくてはなりません。
また、稟議に晒されるわけですから、そこで想定される様々な疑問質問に答えられる説明が用意されていなくてはなりません。これら一切を含めた物語が提案書なのです。
提案書とは、こちらが伝えたいことを書いたものではありません。お客様が意志決定するのに必要なこと、知りたいことを、相手の分かる表現や図表で説明した文書です。この基本を忘れてはいけません。
- お客様がどうして欲しいかを聞き出して整理する。
- それを実現する手段を、みんなで手分けして資料を作る。
- それを寄せ集めて体裁を整える。
そんな提案書は最低の提案書です。
- お客様がどうして欲しいかを聞き出して整理するだけではなく、そこからお客様の「あるべき姿」は何かを明らかにし、両者で合意する。
- それを実現する正解をこちらが作り、お客様にだめ出しをいだきながら、お互いが合意できる正解を創りあげる。
- とのように実現するかについて、全体のストーリー、すなわち目次をつくり、必要に応じて手分けをして作業する。
- それを集め、改めてストーリーを見直し、組み立て直す。
- 全体のストーリーやこの提案の価値、あるべき姿が直ちに把握できる分かりやすい要約版(数ページ)を作り、それを提案書の冒頭に配置する。
たぶん、このようなディレクションと編集なくして良い提案書にはなりません。また、その役割を担うのは営業なのでしょう。
提案書は、お客様の成功のための指南書です。それを作る覚悟を持たなくてはなりません。
2月14日(水)よりスタートする次期「ITソリューション塾・第27期」の受付を開始致しました。
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日程 2018年2月14日(水)~4月25日(水) 18:30~20:30
回数 全11回
定員 80名
会場 アシスト本社/東京・市ヶ谷
料金 ¥90,000- (税込み¥97,200) 全期間の参加費と資料・教材を含む
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【お願い】早期に定員を超えると思われますので、まだ最終のご決定や参加者が確定していない場合でも、ご意向があれば、まずはメールにてご一報ください。優先的に参加枠を確保させて頂きます。
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第27期は、これまでの内容を一部変更し、AIやIoTなどのITの最新トレンドについての解説と共に、そんなテクノロジーを武器にして、どうやって稼げばいいのかについて、これまで以上に踏み込んで考えてゆこうと思います。また、働き方改革やこれからのビジネス戦略についても、皆さんに考えて頂こうと思っています。
SI事業者の皆さんには、これからのビジネス戦略やお客様への魅力的な提案を考える材料を提供します。
情報システム部門の皆さんには、自分たちのこれからの役割やどのようなスキルを磨いてゆく必要があるのかを考えるきっかけをご提供します。
講義で使用する500ページを超える最新のプレゼンテーションは、オリジナルのままロイヤリティ・フリーで提供させて頂きます。お客様への提案、社内の企画資料、イベントでの解説資料、勉強会や研修の教材として、どうぞ自由に活用してください。
古い常識をそのままにお客様の良き相談相手にはなれません。
「知っているつもりの知識」から「実践で使える知識」に変えてゆく。そんなお手伝いをしたいと思っています。
ITビジネス・プレゼンテーション・ライブラリー/LiBRA
2017年12月版・改訂/追加リリース
最新版【12月版】を更改しました
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・量子コンピュータのプレゼンテーションを追加しました。
・各チャートの解説文を大幅に追加・改訂しました。
・デジタル・トランスフォーメーションについて追加・改訂しました。
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サンプル:量子コンピュータ
ITビジネス・プレゼンテーション・ライブラリー/LiBRAよりロイヤリティフリーにてダウンロードできます。ほかにも、3000ページほどのプレゼンテーションやドキュメントがロイヤリティフリーでダウンロード(パワーポイント形式、ワード形式、エクセル形式)できます。
今月度の追加・更新の詳細は以下の通りです。
ビジネス戦略
【改訂】デジタル・トランスフォーメーションの意味 p.5
【新規】デジタル・トランスフォーメーション実践のステップ p.11
【新規】デジタル・トランスフォーメーションとは p.12
【新規】SIビジネスのデジタル・トランスフォーメーション p.13
【改訂】SIビジネスの変革を牽引するトレンド p.16
【新規】収益を生みだすビジネス構造 p.17
【新規】働く現場で何が起こっているのか? P.33
【新規】SI事業者の「働き方改革」 p.34
【新規】「働き方改革」で何を目指すのか p.35
開発と運用
【改訂・解説文】情報システムにもとめられる品質 p.5
【改訂・解説文】これからの開発と運用 解説文の改訂 p.6
【改訂・解説文】開発と運用の関係や役割を変革するDevOps p.25
【改訂・解説文】コンテナとDevOpsの関係 p.36
【改訂・解説文】コマイクロサービス p.38
【改訂・解説文】イベント・ドリブンとコレオグラフィ p.39
【改訂・解説文】超高速開発ツール p.41
【改訂・解説文】コレ1枚でわかるFaaS p.42
【改訂・解説文】これからのITとITビジネス p.48
【改訂・解説文】SRE(Site Reliability Engineer) p.49
【改訂・解説文】APIエコノミー p.51
インフラとプラットフォーム
【改訂・解説文】サーバー仮想化とコンテナ p.95
【改訂・解説文】デスクトップ仮想化とアプリケーション仮想化 p.97
【改訂・解説文】ストレージの仮想化 p.102
【改訂・解説文】SDNとNFV p.103
【改訂・解説文】SD-WAN p.104
【改訂・解説文】サーバー仮想化の3つのメリット p.106
【改訂・解説文】コンバージド・システムとハイパーコンバージド・システム p.135
【改訂】ストレージ性能の推移/1台当たりの容量 p.214
【新規】インフラでの重複排除/圧縮 p.220
テクノロジー・トピックス
【改訂・解説文】「ムーアの法則」と「メトカーフの法則」 p.5
【改訂】VRとARとMR (MRを追加、チャートと文言を改訂) p.14
【新規】従来の方法(集中台帳)とブロックチェーン(分散台帳) p.37
【新規】「量子コンピュータ」についての新章を追加 p.66〜79
量子コンピュータの必要性
これまでの古典コンピュータで解けない問題
循環セールスマン問題(組み合わせ最適化)
量子コンピュータとは何か
量子力学
量子コンピュータの適用分野
BitとQubit
量子コンピュータが高速で計算できる理由
量子コンピュータの種類
量子コンピュータの現状
自然現象を借用したアルゴリズム
量子イジングマシンとスパコン
D-Waveの計算原理
ITの歴史と最新のトレンド
*追加・変更はありません
サービス&アプリケーション・先進技術編/人工知能
*追加・変更はありません
サービス&アプリケーション・先進技術編/IoT
*追加・変更はありません
サービス&アプリケーション・基本
*追加・変更はありません
クラウド・コンピューティング
*追加・変更はありません