長年の経験を土台に個人事業主として次のステージを模索されている方へ:こうすれば成功する3つの原則
昨日は、「失敗するための3つの原則」について、自分体験を踏まえて考えてみたが、今日は「成功するための3つの原則」について整理してみよう。
1.自分の体験を抽象化すること
「ビッグ・プロジェクトを成功させました」や「こんな仕事をしていました」は、「体験」だ。体験とは自分が身をもって感じたことであり、内容がどうであったかよりも、どう感じたかの主観を語る言葉だ。この体験をまずは「経験」に置き換えることだ。
経験とは、体験を通じて得た知識や技能のこと。「ビッグ・プロジェクト」や「こんな仕事」の体験から、自分はどんな教訓を得たかを考え、さらには役立つ知識や技能として抽象化する。それを使って成功を重ね、改善することで、よりおおきな成果を確実に手に入れられるようになる。「経験を重ねる」や「経験を積み上げる」とはこういうことだ。
抽象化とは、重要なことや物事の本質と些細なことを分離することで、その普遍的な価値を明らかにし、説明できるようにすること。
「こんなことをやりました」という体験は興味の対象にはなっても、相手の価値に結びつかない。
「私の知識や技能はこのようなものです。これを使えば、あなたのこの問題を解決できます。」
相手にとって、それが魅力的なものであれば、あなたにお願いしてみようと言うことになるだろう。講師として話しをするのであれば、気付きを得る人もいるだろう。
2.メソドロジーにすること
体験から得た有用な知識や技能を、自分ではない他人が、同様に手に入れるための手順を明確にして文書化すること。
「このような知識や技能が必要です」や「それを手に入れるためには、とにかくやってみるしかありません」では、「後は自分で考えてやってください」と同じこと。これではコンサルもできないし、講師として相手を引き込むことはできない。
誰がやっても同じ結果がだせる手順に置き換えることだ。これこそがコンサルや講師の商品となる。商品があればこそ、売り込みができる。ビジネス・チャンスにつながる。
3.アウトプットすること
メソドロジーができても、抱え込んでいては意味がない。他人に確実に伝わるように表現し、必要な人に届けることだ。
「伝えたという自分の真実に満足してはいけない。伝わったという相手の真実に満足しなければならない。」
「ちゃんと伝えましたよ」や「必要なことは全て伝えたつもりです」は、所詮自分の真実であり、自己満足。その行為が、その結果として、相手に行動したいという心の動きを生みだしたかどうかが重要だ。
「私の言うことを理解できないのは、相手が悪い」
その傲慢さを捨てなければ、仕事にはならないだろう。相手の立場や前提となる知識、関心事などを想像し、あるいは確認しながら、相手に伝わる表現や資料で伝える努力をすること。そのための工夫や訓練を怠るべきではない。
ただドキュメンテーションの能力を磨けばいいということでもない。何よりも大切な能力は、コミュニケーション能力だ。相手から言葉を引き出し、気付かせ、お互いに理解を深めてゆくための能力だが、コンサルや講師は、この能力が前提になる。そのための機会を作る努力を怠らないことだ。そのためには、ブログを書く、講演するなどにも時間を割くといいだろう。人に伝えようとすれば、自ずとここ述べた3つのことに向き合わなくてはならない。コミュニケーション能力も磨かれる。そういう状況に自らを追い込むことだ。
ここに掲げた3つのことを実行することはなかなか骨が折れる。しかし、楽をしてうまくいくことなど世の中にはない。この記事をご覧になり、「おもしろそう」と思うなら、きっとチャンスはあるだろう。しかし、「これは無理」と考えるのであれば、「長年の経験を土台に個人事業主として次のステージ」へ向かうことは諦めた方がいいだろう。
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テクノロジー・トピックス (51ページ)
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