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「新規事業」を成功させることか、「新規事業計画」を完成させることか

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「お客様は、そのサービスを、お金を払ってでも使いたいと思うでしょうか?」

新規ビジネスを検討している方からご相談を頂き、そんな質問を投げかけてみました。

「IoTでうちも何かできないのか?」

社長からそんな話しを投げかけられ、IoTとは何かを勉強し、それらしいサービスを考えてはみたもののいまひとつ自信がもてず、誰かに相談してみようとお声がけを頂いたわけです。「いいですねぇ」のひと言が欲しかったのかもしれませんが、ご期待に反してしまったようです。

  • IoTで何かできないか
  • 人工知能で何かできないか
  • クラウドで何かできないか

確かに、いろいろとできることがあるでしょうが、それは「何のため」なのでしょうか。どんな「困った」や「何とかしたい」を解決できるのでしょうか。

「IoTをつかったら便利じゃないか」

きっかけとして、そんな発想をしてみるものも悪くはありません。しかし、何のためにそれをやるのでしょうか。それ相応の投資を行い、それを回収して利益を得なくてはなりません。それに見合う「便利」が明確になっているでしょうか。

「面白そうだからやってみよう」

これだって、きっかけです。しかし、趣味ではありまらせんから、「お金を払ってでも使いたい」と思えるほどの面白さがあるのでしょうか。

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なによりも大切なことは、現場の切実な「課題の実感」です。まずは、そのことに目を向けるべきなのです。IoTを使うことが目的となってしまっては、たとえ仕組みはできたとしてもビジネスとしては成り立ちません。

IoTの成功事例として、よく話題にされる建設機械大手コマツの工事支援サービス「スマートコンストラクション」について、そのプロジェクトの責任者に話を伺ったことがあります。聞けば、「IoTで何かをやろうとしたわけではなく、結果として、そうなっただけです」とのことでした。

建設現場は、高齢化によりベテラン作業員が少なくなっています。また、3Kというイメージから若手の働き手も集まらないそうです。一方で、建設需要は増える傾向にあります。

「このままでは自分たちのビジネスは成り立たなくなる」

そんな切実な危機感があったそうです。それを何とかしようとしたとき、ドローンでのデジタル3次元測量や建設機械の半自動運転などの手段にいきついたとのことでした。

ドローンでのデジタル3次元測量は現場の抵抗もあったそうですが、現場に杭を打ち、ベテランが何日も掛けてその点と点を測量し掘り出す土量を計算していた作業を、たった数十分でこなすことができるようになりました。しかも手作業で打ち込んだ数百の杭の位置からおおよその土量を計算していたことから、数百万点、数千万点の3次元データから高精度に計算することができるようになり、工期や積算の精度も飛躍的に向上したそうです。

また、これまでは数年は経験しなければ難しい現場作業を、半自動運転(セミオート)機能により、経験の浅い若手の作業者が数日の訓練でベテラン並みの作業をこなせるようになったそうです。

「そんなことはできるはずはない。」

「いままでのやり方がいいにきまっている。」

「実績も経験もないやり方は不安だ。」

たぶん、そんな抵抗に遭われたのかもしれません。それでも、目の前にある課題を解決する一番良いやり方は何かを考え、たとえ新しいやり方でも排除しなかった結果として、いまのやり方に行き着いたと言うことなのでしょう。だからこそ注目され、ビジネスとしての成果をあげているのです。

自分たちにできることや、経験してきたことを前提に考えるのではなく、お客様の必要としていることや切実な課題を実感し、それを何とかしようと追求し、新しいやり方も排除しない。

そういう取り組みが、新規ビジネスの成果に結びつくのです。

「ならば、どうすれば、社長に納得してもらえる新規事業計画をつくれるのでしょうか。」

「新規事業」を成功させることが目的なのか、「新規事業計画」を完成させることが目的なのでしょうか。その原点から考える必要がありそうです。

11月改訂版をリリースしました!
ITビジネス・プレゼンテーション・ライブラリー/LiBRA

  • 「情報セキュリティのジアタマを作る」を新掲載!
  • 「アテにされるためにはどうすればいいのか」そんな新しい講演資料も掲載しました。
  • 他にも大幅にドキュメントを追加・更新致しました。解説文も増えています。

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【講演資料とトピックス】

【新規】ITソリューション塾・特別講義・Security Fundamentals / 情報セキュリティのジアタマを作る
【新規】講演資料・アテにされる/どういうこと?どうすればいいの?

【サービス&アプリケーション・基本編】

【新規】オープンソース・ソフトウェア(OSS)  p.74-90
オープンソース・ソフトウェアについて、全17ページの新しい章を作りました。

【サービス&アプリケーション・先端技術編】

【新規】IoTに期待される経済価値 p.10
【更新】IoTの2つの意味 p.16
【新規】IoTの仕組み p.17
【新規】デジタル・トランスフォーメーションの進化 p.18
【新規】IoTの三層構造 p.43
【更新】クラウドから超分散へ p.45
【新規】LPWAネットワークの位置付け p.46
【新規】LPWAネットワーク 通信規格一覧 p.47
【更新】IoTのビジネス・レイヤ p.48
【新規】人工知能の適用領域 p.131

【インフラ&プラットフォーム編】

【新規】クラウド・コンピューティングの起源  p.25
【新規】メインフレーム、クライアントサーバー、クラウド p.107
【更新】ウェアラブル・デバイスの種類と使われ方 p.115
【新規】ユビキタスからアンビエントへ p.116
【新規】2014年以降のMicrosoftの新戦略 p.142
【新規】統合システム(Converged System)の分類 p.191
【新規】ハイパーコンバージドの仕組みと特徴 p.193-194
【更新】コンバージドとハイパーコンバージド p.195-196

【テクノロジー・トピックス編】

【新設+更新】FinTechとブロックチェーンについて新しい章を作り、ブロックチェーンの記述を大幅に増やしました。 p.24-37

【ITの歴史と最新トレンド編】

変更はありません。

【ビジネス戦略編】
追加・変更はありません。ただし、解説文を増やしました。

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