【図解】コレ1枚でわかる3Dプリンター
「デジタル・データから立体の造形物を直接作り出す装置」が、3Dプリンタです。
3Dプリンタは、コンピュータに取り込まれた3Dデータをミクロン単位の薄い断層データに分解し、これに沿って樹脂や金属粉末などを少しずつ積層しながら立体形状に仕上げてゆく「3D積層造形技術」が、一般的に使われています。最近では、食品素材を材料に食べ物を作れる3Dプリンタも登場しています。
用途には次のようなものがあります。
- 製造業:CAD(コンピュータを使った設計)データを元に、試作品やモックアップ、鋳物のための中子や砂型、少量生産の特注品など
- 医療:コンピュータ断層撮影装置などの人体内部の立体形状データを元にした手術前検討用臓器模型、患者個別の移植用人工骨格など
- 建築業:提案、説明のための建築模型
1980年代に登場した3Dプリンターですが、当時は周辺技術が揃わず、価格も数千万円と高価で普及しませんでした。それが、昨今、技術の進歩や基本特許の期限切れもあって多くの企業が参入し、数十万円、数万円に価格低下したことで、注目されるようになったのです。また、従来、素早く試作する(ラピッド・プロトタイピング)が主な用途でしたが、最近は精度も上がり材料の選択肢も増えたことで、素早く生産する(ラピッド・マニュファクチャリング)へと用途を広げつつあります。
3Dデータはネットを介して自由にやり取りできます。例えば、地上で作られた設計データを使い国際宇宙ステーション(ISS)に設置された3Dプリンタで、工具や補修部品が作られるようになりました。また、「もの作りの民主化」が進み、産業のあり方を根底から変えてしまうと言う意見も聞かれるようになりました。
ロボット同様、3Dプリンタは、コンピュータと人をつなぐ新しいUI(ユーザー・インターフェイス)として、今後ますます注目されてゆくことになるでしょう。
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目次
- 第0章 最新ITトレンドの全体像を把握する
- 第1章 クラウドコンピューティング
- 第2章 モバイルとウェアラブル
- 第3章 ITインフラ
- 第4章 IoTとビッグデータ
- 第5章 スマートマシン