フルスタック営業のすすめ
OS、Webサーバ、データベース、プログラミング、フロントエンドまでを包括する概念として"Full stack"という言葉が出てきたと考えられられます。
【中略】
ただよく言われるフルスタックエンジニアというのはそれだけではなく、コンピュータサイエンスの知識があり、設計やフロントエンド、デザインの領域まで含まれる事もあります。Webサービスの設計製造のすべての部分について一通りこなす事が出来るエンジニア、という意味合いです。
「35歳定年説より怖いフルスタックエンジニアしか生残れない未来とは」にフルスタックエンジニアについて、このような記述があった。
この言葉を読んで、アメリカ海兵隊ことを思い出した。彼らは、臨機応変に自律できる兵士になろうと研鑽を続けている。彼らは、少人数のチーム単位で常に戦場の最前線に送り込まれる軍隊だ。従って、損耗率も高い。だから、チーム全員が、ライフル、爆薬、ヘリコプターなど、全てをこなせる能力を持ち、全員が揃っていれば、それぞれの得意を分担し、誰かを失えば、他の人間が代替し、チームとしての任務を最後まで遂行する。そんなチーム運営を行っているそうだ。
自分の得意を持ち、他のこともこなして、自己完結できる能力の持ち主。フルスタックエンジニアに通じるように思う。
この「フルスタックエンジニア」という言葉が、注目されるようになったのは、ITに求められる役割や期待が、大きく変わり始めているからだ。
いま、時代は、経営環境の不確実性の高まりやビジネス・スピードの加速に直面している。ITが、これに対応するためには、ビジネスの最前線である現場の要求に即応できなくてはならない。そのためには、開発と保守、運用を分業して対応している余裕はない。ましてや、仕様を策定し、外注手配、見積依頼、契約手続きなどやっていたら時代が変わってしまう。だから、フルスタックエンジニアのチームを作り、「臨機応変」に、現場の要求に対応できなくてはならない。PaaSや開発ツールの整備、クラウドの普及は、こういう仕事のスタイルを支えるものとなっている。SIビジネスもこのようなニーズにどう応えてゆくかを真剣に考えなければ、とても厳しい状況に追い込まれるだろう。
営業でも同じことが言える。見積や契約はWebツールに代替される。リードの獲得は、マーケティング・オートメーションのほうが、コストパフォーマンスが高い。商品やサービスについての問い合わせは、Watson君の方が的確だ。営業はそんな時代に直面している。こんな時代に営業はどう生きるかについては、こちらのブログをご覧頂きたい。
お客様が、課題への答えを求めているのなら、それに対する適切な答えを提供できなくてはならない。そのためには、お客様の業務やテクノロジーのトレンド、製品やサービスについての知見を持たなくてはならない。しかし、お客様自身が、時代の変化に翻弄され、変わらなくてはいけないが、何が課題かを明確にできない場合には、社会や経済、業界や経営についての知見がなければ、ビジネスの前提となる課題さえも明らかにできないだろう。
いずれにしろ、自分達の商品やサービスを知っている、説明できるだけで、営業が務まる時代ではない。また、マーケティングやエンジニアと会話できなくてはいけない。彼らの常識や価値観を理解し、同じ言葉で会話できる力も必要だ。つまりは、お客様のあらゆる相談事に関われる力が、営業は求められている。
だからといって、全てを自分で解決する必要はない。何が課題で、どう解決すれば良いかの見通しを立て、これならば、誰に相談すれば解決してくれるかのKnow-Whoを持っていること。そして、相談、交渉できるスキルをみにつけなくてはいけない。
営業もまたフルスタックになることを追求してゆかなければ、生き残ることは難しいだろう。
技術で食べていくためにすべき事は、「勉強し続ける」技術を身に着ける事。これに尽きると思います。勉強する技術、ともいえるかもしれません。好奇心を持ち続け、勉強し続けられるか?これは日本が高度経済成長期を脱してしまった今、どの職業にもいえる事のようにも思えます。家に帰ったらプログラミングは一切しない、所謂サラリーマンエンジニアは今後生き残る事は出来ないでしょう。
フルスタックエンジニアを目指すのであれば、一つ一つの技術を覚えこむのではなく、そもそも何故それらは実現できているのか?裏側で何が起きているのか?という大元のコアな部分を理解する事が重要です。個別事象をすべて覚えていく事には限界がありますが、コア部分を理解出来ると学ぶ速度はぐっと上がるでしょう。
先に紹介したブログにこのような一説があった。営業とて、同じことだ。
【募集開始】ITソリューション塾・第19期
ITソリューション塾・第19期の募集を開始します!
- 期間:2015年2015年5月21日(木)〜7月22日(水) 毎週2時間x10回
- 場所:市ヶ谷・東京
- 講義資料(パワーポイント:約500ページ)はロイヤリティフリーにてダウンロード
第19期は、基幹業務での利用が加速するクラウドの新たな位置付け、IoTやアナリティクスについて、これまで以上に掘り下げてみようと思います。また、ビジネス戦略の策定やIT人材のあり方や育成についても考えます。
また、DevOpsやアジャイルはもはや外せないテーマです。実践ノウハウにまで踏み込んで、専門家による特別講演を予定しています。セキュリティは、「起こさないための対策」と「起こってからの対策」を体系化して解説します。前者はテクノロジーや業務運用、後者は法律専門家や広報ということになるでしょう。
セクシーな提案書の作り方、顧客満足の科学など、お客様との応対力を高める実践ノウハウも解説します。
定員は60名を予定しています。比較的早い段階で定員を超えることが予想されますので、まだ未定の場合でもご意向だけメールにてお知らせ頂ければ、参加枠を確保させて頂きます。
詳細な日程や内容につきましては、こちらをご覧下さい。
「ITの最新トレンドとビジネス戦略」【2015年3月版】 リリース
全て無料でご覧頂けます。今回の改訂の目玉は、以下の3点です。
*「コレ1枚で分かる最新ITトレンド」を全面改定。
IoTの位置づけを見直し、Cyber Physical Systemsについての記述を追加しました。
最新の解説もダウンロードできます。
*IoTの記述を追加し、より分かりやすいものにしました。
IoTとソフトウェア制御の関係やIoTデバイスのスタックにつ
*「アナルティクスとビジネスインテリジェンス」
こんな方に読んでいただきたい!
- IT部門ではないけれど、ITの最新トレンドを自分の業務や事業戦略・施策に活かしたい。
- IT企業に勤めているが、テクノロジーやビジネスの最新動向が体系的に把握できていない。
- IT企業に就職したが、現場の第一線でどんな言葉が使われているのか知っておきたい。
- 自分の担当する専門分野は分かっているが、世間の動向と自分の専門との関係が見えていない。
- 就職活動中だが、面接でも役立つITの常識を知識として身につけておきたい。
「【図解】コレ1枚で分かる最新ITトレンド」に掲載されている100枚を越える図表は、ロイヤリティ・フリーのパワーポイントでダウンロードできます。自分の勉強のため、提案書や勉強会の素材として、ご使用下さい。
目次
- 第0章 最新ITトレンドの全体像を把握する
- 第1章 クラウドコンピューティング
- 第2章 モバイルとウェアラブル
- 第3章 ITインフラ
- 第4章 IoTとビッグデータ
- 第5章 スマートマシン