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ポストSIビジネスの選択 1/3

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ポストSIビジネスは、「オープン化」、「スマート化」、「サービス化」の3つのドライビング・フォースに牽引される。

>> 2015年・ビジネスの変革を牽引するテクノロジー・トレンド

年初のブログでこんな記事を投稿したが、今年も2ヶ月たち、この予測は外れていなかったようだ。そんなトレンドの中で、IoTやビッグデータ、人工知能が予想通り益々注目をされ、そこに新たなビジネス生まている。

市場環境は、明るい兆しが見え始めているとは言え、ビジネスのグローバル化は、不確実性を高めると共に、ビジネス・スピードは加速し、変更変化への即応が、経営にとってこれまでにも増して重要になってきた。

このようなビジネス環境に、これからのSIビジネスは、どう対処してゆけば良いのか。この点について、3回に渡り、整理してみようと思う。

まず最初は、「SI事業者が直面する課題」について整理し、その後に、具体的なビジネスのオプションを考えてゆこうと思う。

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さて、冒頭に申し上げたような環境の変化は、これまでに無く高い専門性を随所に求めるようになる。当然、ユーザー企業もそのことが分かっている。従って、自らの専門をしっかりと持った企業の需要が高まってゆく。「使い勝手の良い、融通の利く会社」の需要がなくなることはないが、単金は低く抑えられ、いずれは自動化や自律化に置き換えられてゆくかもしれない。

また、市場の成長性についても考えておく必要がある。国内市場は、年平均1パーセントにも満たない成長だ。一方、日本を除くアジアでは10%程度の成長が期待されており、国内での成長の余地は限られている。そうなると、グローバルに踏み出さなければ、成長の余地はない。

クラウド・ネイティブの需要拡大にも対処できなくてはならない。AWS、Microsoft Windows Azure、Google Cloud Platform、IBM SoftLayerといったパブリック・クラウドが、基幹業務システムの受け皿として存在感を高めつつある。また、既存のオンプレミスを移行するのではなく、はじめからクラウドでシステムを構築する需要も拡大している。そのため、オンプレミスでのノウハウしかなく、クラウドへの移行や構築、運用に対応できないままでは、ビジネスのチャンスを逃すことになるだろう。

また、ユーザー企業は、開発工数を減らし、資産を持たず、スピードと変更に即応できる能力をSI事業者に求めてゆくことになるだろう。このようなお客様の期待に応えるためには、従来の人月積算型の収益構造では対応が難しい。サブスクリプションや成果報酬といった、即応性や成果価値に対応したわかりやすく納得感のある新たな収益のあげ方を模索する必要がある。

しかし、このような施策は、SI事業者のこれまでの価値基準と大きく異なる。それを残したままに新しい取り組みを行おうとしてもうまく機能しないだろう。この点については、こちらのブログに詳しく書いたのでご覧頂きたい。

>> 全員の65点のではなく一人の95点を実現する:新規事業を成功させる3つの「変える」

この事態の対処するためには、既存の業績評価とは異なる基準を持つ「特区」のような組織や別会社で新しい事業を行う必要がある。

また、例え社内に優秀な人材がいたとしても、既存の企業文化に育ち、何をやるにも上司の顔がちらつくようでは、思い切った取り組みはできない。そのためには、全く異なる常識を持つ外部企業とのジョイントベンチャーや業務提携といった、異文化交流を進め、組織の慣性を大きく変える必要があるだろう。

では、具体的に、どのような事業を考えてゆけば良いのか。明日は、これについて整理してゆく。・・・続く


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テクノロジー編(228ページ)で、特にご覧いだきたいポイントは、次のページです。

  • WebスケールITについて解説。
  • クラウドサービス事業者のポジショニング。
  • クラウドサービス事業者の強みと機会。
  • コンバージド・システムとハイパー・コンバージド・システムの比較。
  • IoTとビッグデータ」とCyber-Physical systemsとの関係。

ビジネス戦略編(51ページ)では、SI事業者の課題とそれに対処する戦略を新たな考察を踏まえ刷新いたしました。

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>> ITビジネス・プレゼンテーション・ライブラリー/LiBRA

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目次

  • 第0章 最新ITトレンドの全体像を把握する
  • 第1章 クラウドコンピューティング
  • 第2章 モバイルとウェアラブル
  • 第3章 ITインフラ
  • 第4章 IoTとビッグデータ
  • 第5章 スマートマシン

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