信頼されない営業になるための5ヶ条
「あなたは、どんな営業になりたいですか?」
「当然、お客様に信頼される営業ですよ。」
このように答える営業は多い。しかし、お客様に信頼されるのは、簡単なことではない。むしろ、無理して信頼されようとはせず、素直に自分の実力を受け入れ、信頼されないままでいたほうが楽である。いや、むしろ積極的に信頼を失っておいたほうが、仕事も減って楽に生きられる。幸いにも、日本の企業は、犯罪など犯さない限り、簡単に人を辞めさせることはできないので、心配は無用だ。
では、どうすれば、お客様からの信頼を失うことができるだろうか。
第一条 お客様の話しを知ったかぶりでごまかす
お客様が、こんな質問をしたとしよう。
「うちも業務システムの一部をクラウドに持って行くことを考えようと思うんだが、どうすればいいかなあ?」
これに対して、あなたは次のように答えればいい。
「クラウドですか?そんなものは、まだまだですよ。セキュリティも心配だし、まだ使うには、時期尚早ですよ!」
こう一蹴すれば良い。そうすれば、あなたは一気に信用を失うことができる。
お客様とてしっかりと勉強しているものだ。ある程度のことが分った上での質問だ。そんなときに、クラウドと仮想化の区別もできず、世の中のクラウドの動向など知らないままに、強気でしらを切り、「そんなことより、こんど、こんな製品を出したんですけど、いかがでしょうか。」と自分の知っていること、こちらに都合がいいことに話しを向ける。そうすれば、お客様は、「こいつは、何もわかってないんだなぁ」と、それ以降相談されなくなるだろう。
第二条 汚い資料を作る
お客様が、「費用を教えてくれない?」とあなたに依頼する。当然金額を間違えるわけにはゆかないから、Excelで細かいオプションも含めて費用計算する。その作業で作ったExcelシートを体裁も整えず、あて先も書かず、すべての細かい項目もそのままに、お客様に提出する。
提案書を出してほしいといわれる。しかし、ページごとにタイトルの位置や大きさがばらばら。フォントもコジックと明朝を同じページに混在。きれいをカラフルと混同し、いろいろな色を多用する。図表の縦横の位置が、そろっていない。文字が背景色に隠れて、なんと書いてあるのか良く分らない。
それを「おかしい」と思わずに、そのままお客様に提出する無神経。お客様に「なに、これ?」と常識を疑われることは、間違えない。
第三条 見積金額を間違える
見積り金額を間違え、後で修正する。高い金額を安く修正するなら、「なんとか、がんばって、安くしました。」という言い訳でごまかすことができる。しかし、お客様は、間違えを見抜いている。しかし、自分に不利な話しでもないので、この芝居に付き合ってくれるだろう。しかし、安いものを高くする場合は、そうは行かないだろう。
どちらにしても、お金や数字への感性が低い相手は、心配であり、不安である。こんな相手と、商売の話しをしたいとは思わないだろう。
第四条 競合他社の批判する
「A社は、とんでもない会社ですよ。X社で、こんな失敗をしでかして、大変なことになっているらしいんですよ。」
「あの製品には、この機能がありませんから、使い物になりませんよ。」
他社の批判は、自分の自信のなさの裏返しである。自信がないから、相手を貶(おとし)め、自分の存在を高めようとする。しかし、自分が高くなったわけではない。
本当に事実なのだろうか。たとえ事実であったとしても、それが目の前にいるお客様にとって関係があるのだろうか。機能や性能の良し悪しは、どう使うかとの関係で決まる。単なる○×の比較で、どちらがいいと決められるほど簡単なことではない。
そんなことも考えず、善意の第三者をきどり、専門家のような顔をして、講釈をたれる。たぶんのその腹の底は、直ぐに見抜かれてしまうだろう。
第五条 お客様に話をさせない
自分の言いたいことだけを話し、お客様の話しを聞こうとしない。お客様が話しをしていても、馬耳東風。聞いている振りはするけれども、理解しようなどという了見は持ってはいけない。
自分の売りたいものをどうすれば魅力的に伝えられるかだけを考え続け、お客様の話のタイミングを見計らって、一気呵成に自分の言いたいことを繰り出す。
相手の発言に「なるほど」とうなずいておくのもいいだろう。聞いている振りをし、「なんと真剣に聞いてくれている人だろう」という好印象を与えておくのも、ひとつのテクニックだ。しかし、本当のところは、何も聞いていない。ただ、自分が話し始めるタイミングを推し量っているだけにする。
お客様の話を最後まで聞かず、途中でさえぎり、それはこういうことですよと説得にかかるのも効果的だ。お客様から、「こいつには、なにを話しても無駄だなぁ」と思わせることができる。
さて、皆さんは、以上のうちのいくつを実践されているだろうか?もし、ひとつでもできているのなら、信頼を失いかけていると、自信を持てばいい。3つ以上実践している人は、すばらしい。間違えなく、お客様に愛想をつかされている。
まもなく、新入社員がやって来ます。そんな彼らに、ITの基礎的知識と最新ITトレンドを教えるための教材を掲載しました。パワーポイントのプレゼンテーションだけではなく、ワードで作成した教科書も用意しました。
LiBRA会員なら自由にソフトコピーでダウンロードいだけます。ぜひ、ご活用下さい。
【新人研修】最新ITトレンド / パワーポイント
【新人研修】ITの基礎知識 / ワードとパワーポイント
【新人研修】企業活動と情報システム / ワードとパワーポイント
>> 詳しくはこちらをご覧下さい。
【閲覧無料】最新のITトレンドとビジネス戦略・2015年2月版
「最新ITトレンドとビジネス戦略【2015年2月版】」全279ページをリリースしました。全て無料で閲覧できます。
今版は、特に相当に気合い入れてテクノロジー編を大幅改訂です。「IoTとビッグデータ」と「スマートマシン」をいろいろと手直しをしました。
テクノロジー編(228ページ)で、特にご覧いだきたいポイントは、次のページです。
- WebスケールITについて解説。
- クラウドサービス事業者のポジショニング。
- クラウドサービス事業者の強みと機会。
- コンバージド・システムとハイパー・コンバージド・システムの比較。
- IoTとビッグデータ」とCyber-Physical systemsとの関係。
ビジネス戦略編(51ページ)では、SI事業者の課題とそれに対処する戦略を新たな考察を踏まえ刷新いたしました。
是非、ご覧下さい。なお、会員の方は、ロイヤリティフリーでパワーポイント形式にてダウンロードいただけます。
>> ITビジネス・プレゼンテーション・ライブラリー/LiBRA
こんな方に読んでいただきたい!
- IT部門ではないけれど、ITの最新トレンドを自分の業務や事業戦略・施策に活かしたい。
- IT企業に勤めているが、テクノロジーやビジネスの最新動向が体系的に把握できていない。
- IT企業に就職したが、現場の第一線でどんな言葉が使われているのか知っておきたい。
- 自分の担当する専門分野は分かっているが、世間の動向と自分の専門との関係が見えていない。
- 就職活動中だが、面接でも役立つITの常識を知識として身につけておきたい。
「【図解】コレ1枚で分かる最新ITトレンド」に掲載されている100枚を越える図表は、ロイヤリティ・フリーのパワーポイントでダウンロードできます。自分の勉強のため、提案書や勉強会の素材として、ご使用下さい。
目次
- 第0章 最新ITトレンドの全体像を把握する
- 第1章 クラウドコンピューティング
- 第2章 モバイルとウェアラブル
- 第3章 ITインフラ
- 第4章 IoTとビッグデータ
- 第5章 スマートマシン