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お客様の満足を管理する:3つの期待とその対処

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「お客様の満足は、事前の期待を管理することによって達成される。」

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それでは、お客様の事前の期待とは、何か。次の3つのレベルに区分することわかりやすい。

  1. 基本的な期待
  2. 潜在的な期待
  3. 想定外の期待

1.基本的な期待

 当然してくれるであろうこと。あるいは、必要かつ十分な要件を満たしてくれるであろうという期待だ。

例えば、お客様が、ノートPCx100台の購入を営業に依頼する場合、お客様は営業に次のような期待を持つ。

  • こちらの必要を理解した上で最適な構成を提示してくれる。
  • いままでの値引きを考慮した見積もり金額を提示してくれる。
  • 通常の納期(例えば、2週間以内)に納品してくれる。

この期待をみたすことが、お客様と関係を維持する最低限のレベルとなる。この期待に応えることは、お客様から見れば「当然」であると感じ、満足を与えるには至らない。

2.潜在的な期待

やってくれなくても目的は達せられるが、もしそうしてくれれば嬉しい。あるいは、明示的に要求はしていないが、やってくれれば、ありがたいといった期待だ。

例えば、次のような期待が考えられる。

  • いつもなら1週間かかるところだが、すぐ翌日に見積書を持ってきてくれる。
  • 来月出荷予定の新機種を先取りして納品してくれる。
  • 通常よりも短納期で納品してくれる。

このレベルの期待は、お客様が、はっきりとは言わない。こちらがそれを推測する必要がある。ただ、このレベルの期待に応えると、お客様は、「すばらしい」と感じ、ご満足いただける。

3.想定外の期待

お客様が想定していなかった方法や効果を提示することだ。「期待の超越」と言うべきかもしれない。

例えば、PC100台の理由が、コールセンターの受注能力を現行100人から200人に引き上げることが目的であるのならば、PC100という手段以外で、もっといい方法があるかも知れない。例えば、次のようなケースだ。

  • CRMシステムの導入し、現行要員で倍の能力を発揮できるようにする。
  • 電話ではなく、Webで受け付ける仕組みにして、要員を減らす。
  • 業務を外注し、固定費ではなく変動費として吸収する。

もちろん、お客様も十分に検討したうえでのPC100台であれば、潜在的期待まででもお客様に十分な満足を与えることができるかもしれない。しかし、お客様が、事前に期待していなかったことで、さらに魅力的な提案が示されたならば、お客様の満足はいっそう高まる。このレベルに至れば、満足は、「感動」に変わる。

「基本的な期待」、「潜在的な期待」、「想定外の期待」へと段階を進める毎にお客様の満足度は、高まってゆく。ただ、注意しなければならないことは、時間の経過と共に「基本的な期待」が、嵩上げされることだ。これに対処する方法は、昨日申し上げたとおりだ。

これに加え、普段は確実に「基本的な期待」を満たし、時に「潜在的な期待」に応えること。「想定外の期待」への対処は、いざというときにとっておくべきだろう。例えば、競合他社の攻勢への対処、あるいは、新規顧客へのアプローチなど、思い切った対応で驚きと感動を与えなければ、チャンスを逃しかねないときに繰り出すといいだろう。

お客様の満足を漠然と捉えるのではなく、分析的に捉えることで、「顧客満足の管理」が可能になる。ただ、お客様の価値を高め、お客様を成功させるといった基本をなおざりに、テクニックだけの「顧客満足の管理」では、長続きしないこともわすれてはいけない。

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目次

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  • 第1章 クラウドコンピューティング
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  • 第3章 ITインフラ
  • 第4章 IoTとビッグデータ
  • 第5章 スマートマシン

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    • M2MとIoTの歴史的発展系と両者の違いについて追加しました。
    • ドイツのIndustry 4.0について追加しました。

「ビジネス戦略編」(49ページ)

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  • 2015年問題の本質というテーマでプレゼンテーションを掲載致しました。
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