チェックしておきたい最新ミュージックビデオ2つ。インタラクティブなレッド・ホット・チリ・ペッパーズと破天荒なオーケー・ゴー
2月5日のスーパーボウルでのマドンナのパフォーマンスがネットで話題になっている。好き嫌いは別にして、マドンナらしい圧巻のパフォーマンスだったことだけは間違いない。同時期に公開されたマテリアルをセルフカバーしたミュージックビデオも、スーパーボウルがテーマになっていて面白い。
マドンナのミュージックビデオは、YouTubeに数多くアップされているので、お気に入りのビデオを探してみてほしい。今日は、最近公開されたばかりのユニークなミュージックビデオを2つ紹介したい。
2つのビデオは、出演しているバンドの知名度もビデオの制作手法も全く違うにもかかわらず、ビデオの持ってる独創性という点で共通点を持っている。どちらもチェックしておきたいビデオだ。
① レッド・ホット・チリ・ペッパーズのインタラクティブビデオ「Look Around」
● レッド・ホット・チリ・ペッパーズのインタラクティブビデオ:Look Around」
人気ロックバンド、レッド・ホット・チリ・ペッパーズの新作ミュージックビデオ「Look Around」が面白い。ミュージックビデオには珍しいインタラクティブビデオのスタイルを取り入れているのだが、今までのインタラクティブビデオにはない、非常にユニークな内容になっている。
基本的には、視聴者がマウスとキーボード操作で、自由に画面上のコンテンツをコントロールできるようになっている。
★ 「Look Around」の簡単な操作方法
[↑] ズームイン(画面が大きくなる)
[↓] ズームアウト(画面が小さくなる)
[→] 右に移動
[←] 左に移動
右から2番目の「Show Hints」ボタン:次のアクションのヒントが表示される
右上の✖ボタン:前のアクション画面に戻る
絶対に試してみて欲しいのが [→]と[←]キーだ。押し続けていると、画面が少しづつ横に移動して、最終的にはシーンが切り替わってしまう。非常に珍しい新しい場面に切り替えるインタフェースだ。
■ 「Look Around」の操作方法<ズームイン&ズームアウト>
■ 「Look Around」の操作方法<シーンの切り替え>
レッド・ホット・チリ・ペッパーズのような大物バンドが今回のようなインタラクティブミュージックビデオを公開したことで、今後他のバンドも真似してくる可能性が十分ある。実際に体験してみるとわかると思うが、自分のお気に入りのバンドの練習風景を自由に操作できるのは、ファンにしてみればこれほど嬉しいことはない。自然とビデオの視聴時間も長くなってくる、そんな完成度の高いビデオである。
② オーケー・ゴーの「Needing/Getting - Official Video 」
● オーケー・ゴー:Needing/Getting - Official Video
もう1本は、毎回独創的なミュージックビデオが人気のシカゴ出身の人気バンド、オーケー・ゴーの「Needing/Getting」。レッド・ホット・チリ・ペッパーズの「Look Around」とは正反対のハチャメチャな演出で今回も楽しませてくれる。
圧巻なのは、何百台ものピアノとギターを車に取り付けたバーのようなもので鳴らしながら疾走するシーン。しかも、いつものようにちゃんと車内で歌と演奏もこなしている。普通のミュージックビデオでは考えれられないような独創的な演出で、今回も見る者を楽しませてくれる。
今回のオーケー・ゴーの「Needing/Getting」だが、驚いたことに自動車メーカーのシボレーがスポンサーについている。確かに、自動車をよく確認するとシボレーであることがわかる。自動車を使ったパフォーマンスが得意なオーケー・ゴーなので、自動車メーカーと相性が良いのは間違いないが、大手の自動車メーカーが独創的な演出を得意とするオーケー・ゴーのスポンサーになったというのはかなり画期的なニュースだと言っていいだろう。
参考までに、先日のスーパーボウル向けにシボレーが公開したビデオが、オーケー・ゴーの「Needing/Getting」と同じモチーフで制作されており、比べてみると面白い。
● シボレー:Chevy Volt - Aliens (Super Bowl Ad 2012)
③ 今回のまとめ
今回紹介した2本のミュージックビデオを見て感じたのは、ミュージックビデオもコンテンツの中味が問われる時代になりつつあるということ。単にお金を注ぎ込んで豪華なだけのビデオでは、ファンは振り向いてくれなくなっている。ビデオコンテンツの企画力や中味が問われる時代になったと言っていいだろう。
レッド・ホット・チリ・ペッパーズの「Look Around」は、インタラクティブというミュージックビデオでは珍しい技術を採用して、ファンに新しい経験をもたらしてくれた。キーボード操作で画面をいろいろ切り替えていると、スタジオを自分がコントロールしているような錯覚に陥ってくる。
アーティストがファンとエンゲージする1つの方法として、インタラクティブミュージックビデオは今後注目されるだろう。なぜなら、間違いなくビデオの視聴時間が普通のミュージックビデオよりも長くなるからだ。
一方、オーケー・ゴーの「Needing/Getting」は、技術的に全く目新しいものはないが、彼らの企画力の素晴らしさがコンテンツの全てだと言っていいだろう。独創的なビデオコンテンツを創造すれば、シボレーのようなビッグスポンサーの目に留まる可能性があることをオーケー・ゴーは証明してくれた。
なんだか、ミュージックビデオが面白くなってきそうだ。
⇒ ニュースソース:「Look Around" With The Red Hot Chili Peppers Interactive Music Video」