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まだPCで動画を視聴しますか?スマートフォン/タブレットがノートPCに取って代わる日。

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興味深い調査結果が米国で発表された。米国の市場調査会社Flurry Analyticsが4月15日に発表した報告書によれば、iOSが搭載されたiPhone/iPad及びAndroidを搭載したスマートフォン/タブレットPC用ゲームの2010年の売上シェアが、米国の携帯端末ゲーム市場の34%を占めるまでに成長いているという。

このあおりをモロに受けているのが、任天堂DSとソニーのPSPだ。任天堂DSは前年と変わらず首位を守っているものの、そのシェアは57%と、2009年のシェア70%から大幅に落ち込んでしまった。また、ソニーのPSPも11%から9%へと小幅ながらシェアを落としている。

スマートフォンとタブレットPCが、一般消費者の間に本格的に普及して行くのはまだこれからだと言われている。それを考えると、既存のゲーム端末機が今後さらにシェアを落とすことはまず間違いないだろう。いや、もしかしたら近い将来、既存のゲーム端末機が、iOS/Androidを搭載したスマートフォンやタブレットPCに携帯端末ゲーム市場における首位の座を明け渡してしまう日が来るかもしれない。そう考えても不思議じゃないほど、この1年間におけるiOS/Androidを搭載したスマートフォン/タブレットPCの勢いは凄まじい。

ところで、iOS/Android搭載端末が、既存の携帯端末機からゲーム利用というシェアを奪いつつあるのと同様の現象が、ある特定の分野においても起きる可能性があるということをご存知だろうか。それは、iOS/Android搭載端末が、PCから動画視聴用端末としての首位の座を奪ってしまうという可能性だ。

私自身、ウェブサイトの動画を視聴するための端末として最近一番利用しているのが、iPhoneとiPadである。「iPhoneとiPadは、FLASHに対応していないのでウェブサイトの動画を視聴することができないのでは?」という声が聞こえてきそうだが、iPhoneとiPadに対応した動画配信サービスを利用して配信しているウェブサイトの動画は、iPhoneとiPadでもちゃんと視聴することができる。また、AndroidOS2.2以降搭載のスマートフォンとタブレットPCであれば、FLASHが実装されているので何の問題もなく動画を視聴することができる。

動画をPCではなくiOS/Android搭載端末で視聴する機会が増えているというのは、何も私個人に限った話ではない。消費者に向けて動画を配信する側にある企業が、iOS/Android搭載端末の存在を強く意識するようになってきている。それを証明するものとして、こんなデータがある。今年になってからビムーブの動画配信サービスをご利用いただいているお客さまの内、何と75%のお客さまがiPhoneとiPad向けに動画を配信しているのである。この事実は、iPhoneとiPadが、動画を視聴する端末としてもはや欠かすことができない存在になっていることを証明している。

もっと極端な例をあげると、PCには配信せずiPhoneとiPadだけに動画を配信しているお客さまも何社かいるのだ。少し前までなら、とてもじゃないけど考えられない現象である。この傾向は、今後ますます高まってくるものと考えられる。では、なぜiOS/Android搭載端末が動画視聴用端末としてここまで人気があるのだろうか。私は、ポイントは次の3点にあると考えている。

Ios_android_vs_pc

1.すぐにインターネットへにつながる

PCの場合、以前より改善されたとはいえ、電源を入れてからインターネットに接続されるまでの間、多少待たなければならない。その点、スマートフォン/タブレットPCは自動的にWiFi/3Gネットワークを感知して、すぐにインターネットにつながる。ウェブサイトの動画を視聴する上で、このインターネットへの即時接続性は魅力だ。

2.どこでも動画が視聴できる

一時期人気を博したネットブックも、いくら場所を取らないからと言って、さすがに電車の中で立ったまま利用することは難しい。その点、スマートフォンなら電車の中で立ったまま見たい動画を視聴することができる。ウェブサイトの動画を視聴する上で、このポータビリティ性も重要なポイントとなる。

3.操作が簡単である

文字の入力がしづらいと比較的不評のタッチパネルも、動画を視聴するには逆に都合が良い。PCのキーボード入力やマウス操作が苦手な人でも、タッチパネルなら操作が簡単なので見たい動画をすぐに視聴することができる。ウェブサイトの動画を視聴する上で、この簡単な操作性は欠かせない。

以上が、私が考えるスマートフォン/タブレットPCが動画を視聴する端末としてPCよりも優れている点である。日本でも発売が待たれるiPad2や最新のAndroidOS3.0が搭載されたタブレットPCは、いろんな面で改良が加えられ、従来機よりもますます動画の視聴に向いている端末にグレードアップしている。スマートフォンとタブレットPCが、動画視聴用端末としての座をノートPCに取って代わるのも、そんな遠い日のことでもないような気がしてならない。

■ 調査結果「iOSとAndroidゲーム市場の躍進」
   http://bit.ly/hXOIuW

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