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アーティストにとってCGMはどんな価値があるのか

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メジャー・レーベルからデビューできるアーティストはほんの一握りだ。そして、彼らはテレビや雑誌などの既存メディアを使ってプロモーションをしてもらえる。ところが、インディーズ系のアーティストにはそれがない。そもそもお金がないわけだから、莫大な費用がかかる既存メディアを使ってのプロモーションなど不可能。

結局、インディーズ系のアーティスにとってはライブが重要になってくる。ライブを数多くこなして、一人でも多くの人に聴いてもらうしかない。そして、そこから生まれるリアルな口コミ効果を期待する。もの凄いオーソドックスな方法だけど、インディーズ系のアーティストがメジャーになるには、昔からこれしかなかったのだ。

ところが、最近ではブログやSNSなどのCGMを活用するインディーズ系のアーティストが増えている。マイスペースが、元々インディーズ系アーティストの間から広まったという話は有名だし、ミクシィでも、数多くのインディーズ系アーティストのファンクラブ・コミュニティができている。

faamも同様だ。登録してくれたアーティストに対して、CGMを提供している。アーティストは、楽曲や動画をアップロードすること以外に、ブログを書いたりコミュニティを作ったりすることができる。このCGMを利用するかどうかは、もちろんアーティストの判断に委ねられるわけだが、最近になってCGMは効果があるということがわかってきた。

faamでは、視聴された回数と時間(イントロだけ聴いてやめた場合はポイントが低く、最後まで聴いた場合はポイントが高くなるような仕組みになっている)を元に楽曲視聴ランキングなるものを提供しているが、ブログの更新頻度が高いアーティストの方が、ブログの更新頻度の低いアーティストよりも上位にランキングされるという現象が起きている。この現象はコミュニティについても同様だ。

CGMを利用した情報発信に積極的なアーティストの方が、消極的なアーティストよりも聴かれる頻度が高いという事実は、ある意味でWeb 2.0的だ。優れた楽曲であることが何よりも重要であることは間違いないが、CGMに参加することでリスナーの関心を集めるという事実も否定することができなくなってきている。

この事実は、僕に大きなプレッシャーとなって圧し掛かってきた。なぜなら、ユーザーのいないCGMなどなんの価値もないから。faamはもっとたくさんのユーザーを集めて、登録してくれたアーティストに報いなければならない。

もっとたくさんのユーザーを集めることに成功すれば、ファンがアーティストを供給するという、僕の描いていた夢は実現するんだろうか。それとも、やはりアーティストは、今までのようにレコード会社からしか供給されないのだろうか。

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