■ いつまでも治らなかった唇の両端の口角炎が、入れ歯の調整で解消した症例
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「皮膚科で薬を頂いたんですけど」
腑に落ちないといった表情なのは60代女性のUさん。数年ぶりの来院です。
前回の治療で調整した入れ歯がゆるくなったのが来院された理由です。
入れ歯の状況に加えて私が気になったのがUさんの唇の端、口角でした。
左右とも赤く腫れているのです。
お聞きするとやはり痛みが続いていて口角炎を気にされていました。
皮膚科クリニックを受診したものの症状は変化なし。
とはいえ皮膚科クリニックを否定するつもりはありません。
片側だけに起こった場合だと別の原因や病名を考えるのですが、両端に起こる口角炎を見て歯科医師がすぐに思い浮かべる病名があります。
それは入れ歯の咬み合わせが低いこと。
改めて入れ歯を見ると臼歯部が数年のうちに咬む力で磨耗していました。
咬んでも奥歯にスキマが目で見えるくらい入れ歯の奥歯が低くなっているので、歯科医師でなくても鏡で見ていただければ状況はすぐにわかります。
咬み合わせが低すぎると口が常にヘの字になります。
すると口角が唾液で常に湿った状態になり口角炎を起こす原因となります。
そこで今回は入れ歯の臼歯部に義歯用プラスチックを盛って、咬み合わせの高さを回復させる治療を行ないました。
1週間後に様子をうかがうと、起床時に特に痛かったのが、症状がなくなったとのこと。
「口角炎の原因が咬み合わせなんて、考えもしませんでした」
Uさんは笑顔で報告してくださいました。
西荻窪 いとう歯科医院 ホームページhttps://www.ireba-ito.com
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