欠けた入れ歯を修理しました。
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5年ぶりに来院されたTさん(90歳・女性)がそっと差し出した手のひらには1センチほどのかけらが乗っていました。
私の祖父が作った入れ歯の一部です。今でもメンテナンスをしながら使い続けています。
欠けた入れ歯の尖った部分に舌が触って気になっていました。
ささいなことと思われるかも知れませんがあまり良いことではありません。
気にしているうちに舌を傷つけてしまったり変な口の動かし方をして、復元した入れ歯が合わなくなったりするからです。
今回は口を開けても入れ歯は外れません。
欠けた部分は気になりますが、肉も野菜もご飯も食事は今まで通りにできるようです。
「最近は杖をつくようになったけど散歩が楽しみでね」と会話もしっかりしています。
入れ歯の機能に問題がなければ必要最低限のことだけして余計なことはしない。
「治療」と称して、かえって入れ歯の機能を壊してしまわないように当院では気をつけています。
今回は欠けて尖った部分を削って10分ほど研磨するとツヤが出てきました。「あっ、これは滑らかです」
Tさんは「そろそろ作り替えた方がいいの?」と尋ねられましたが、いやいや、まだまだずっと使えます。
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