中途半端に差別化するより一体化を目指すほうがいいような気がする・・日本の”標準時を2時間前倒しにする”という猪瀬東京都知事の提言を見て考えた
東京都の猪瀬知事が日本の時間を2時間早めて金融市場での影響力を強めることにより経済的なメリットを得ようという提言をしたというニュースを見ました。
猪瀬都知事「標準時2時間前倒しを」(日経新聞)
http://www.nikkei.com/article/DGXNASFS2203N_S3A520C1EE8000/
5月22日の産業競争力会議で配布された資料はこちら
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/keizaisaisei/skkkaigi/dai9/siryou9-2.pdf
意図はわからなくはないのですが、
もともとシンガポールが今の標準時を採用したのは中国と合わせることで経済活動をスムーズに行いやすくする意図があったと言われているように、切り離すより一体化を志向するほうが賢明なのではないかという気がします。
日本の標準時は中国、台湾やシンガポール、マレーシアとは現在1時間、タイ、ベトナム、インドネシア、ベトナムなど多くの東南アジア諸国とは2時間の時差があります。
なにかしらのやりとりをするのに1−2時間の時差であれば比較的許容しやすいわけですが、それでもやや面倒なのも事実。
そこでさらに2時間早めると、中国とは3時間、タイなどとは4時間も時差が生じてしまいます。
差別化して優位に立つというよりはむしろ孤立してしまう恐れもあるのではないでしょうか。
ジャパンアズナンバーワンで「みんなオレについて来い」、という時代ならともかく、これからはきっと、「一緒にがんばろう!」のほうがいいのではと。
一国の標準時を変更するだけでも大変なのに多くの国の同意をとるというのは現実的ではないかもしれませんが、それこそ東アジアと東南アジアでひとつの標準時を使うことができればアドバンテージが生まれる気がします。なので、どうせずらすなら後ろに。
考え方によっては2時間後ろにずらして中国経済に対抗するというのはあるかも。(その場合、ミャンマーには30分ずらしてもらいつつ)
競争優位の戦略においては差別化が重要ですが、一体感を持つ中でリーダーシップを発揮するという手もあるのではないかと、つらつら考えました。