ソリューションベンダーの社長の語る言葉が「トップシェアを目指します!」でいいのか?
「トップシェアを目指します!」は、一昔前のIT業界では合言葉のようによく使われていたフレーズ。
今でも時々そんな記事を目にすることはありますが、最近はなんだか、そんなこと言われてもね、という気がしてしまいます。
なぜかというと、
トップシェアというのは、己がそうなりたいとしても、そのことそのものが顧客やユーザのメリットにつながるとは限らないんじゃないか?という気がするから。
もちろんものによります。
例えばOSやソーシャルメディアのようなものはメトカーフの法則があてはまるので、より多くのユーザが付くことでそのネットワーク自体の価値が上がりひいてはメリットになります。
一方で、ミドルウェアやアプリケーションではどうでしょう? 確かに習熟したエンジニアがたくさん生まれるので単価が下がるとかノウハウがより多く蓄積されるので利便性が高くなるという間接的なメリットはあるとはいえ、特定ベンダーがより大きなシェアを持つということそのものとユーザのメリットが相関するとは言えないような。
独占的なシェアで、ベンダーロックインが効けば経営者や社員、投資家にとっては嬉しい限りでしょうが、ユーザは本当にその言葉がユーザの方を(も)向いているのかどうかを見極める必要があるかも。。
トップシェアのソリューション選定したので稟議が通りやすいとか、そういうサラリーマン的な発想に利することがあったとしてもなんだかむなしい。
「トップシェアを目指します!」が勇ましく、また業界を明るくする掛け声だったり、それがいい方向に作用した時代があったことは事実でしょう。そういえば、同じようなトーンの言葉としは「デファクト」もよく耳にしましたが、これも最近はあまり聞かないような・・・
IT、特にエンタープライズITがやんちゃな若者から成熟した大人産業となってきている(気がする)中で、これからもビジネスに社会に役立つ本来の意味での”ソリューション”を提案していくべき時の掛け声は、「オレがオレが・・」じゃないように感じるのです。
(お盆ウィークの独り言です。。)