震災ボランティアの今 (ひとつの例)
震災直後から仕事の休みを使って被災地に足を運んでいる友人がいます。
彼は町の車屋さんのメカニックなのでお休みは日曜祭日だけ。
だから、土曜の晩に仕事が終わってからバンで出発して車中泊、日曜日にボランティアをして月曜の朝には東京に帰ってきます。
最初は軽バンで行っていたのですが、少々不自由だということで普通車に買い替えてまで。
機械の修理など専門技能を活かしているかというとそうでもなくて、日曜の朝普通に現地のボランティアセンターに顔を出してその日ニーズがある先に出かけて、泥かきや片付けをしているとのこと。
最近は多少頻度は少なくなって月に1-2回だそうですが、それでもずっと続けています。
彼が主に向かっているのは宮城県の石巻エリア。東京から車で行って一日作業して帰ってこれる現実的な一番遠いところと言えるかもしれません。
さすがに泥かきや瓦礫の片づけのような必要はそろそろ無くなってきているのでは?と聞いたところ、石巻の市街はともかくさらに先に行くと実はまだまだだそうです。最近の活動エリアは牡鹿半島の先端部で、人手も少なく、また一度片付いた山の斜面などが風雨で流れたり、それこそ墓石が倒れても元に戻せず困っているのだとか。
復旧から復興へといった産業の再生に向けた動きや、地域のコミュニティをサポートする活動、そのほかいろいろなボランティアが活躍していますが、地道に黙々と(ある意味同じことを繰り返して)積み重ねている彼にはどうにも頭が下がる思いです。
どこかの団体に加わるわけでもなく、それらのプログラムに乗るわけでもなく、ただ黙々と。
そして、彼自身は東北出身というわけでもなく。
普段は寡黙なメカニックです。歳も僕より少し上なので元気な若者というわけでもありません。。(^_^;)
何が言いたくてこれを書いているのかというと、純粋にそんな人間もいるということをお話したくて、ただそれだけです。
いろんな人がいろんなかたちで、自分のできることを誰かのためにやっている、そんなひとつの例として。