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ドイツZDF フクシマのうそ(動画)を観て

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ドイツZDF フクシマのうそ

ドイツZDF フクシマのうそ 投稿者 sievert311

というドイツのTV局によるドキュメンタリーがシェアされていたので見ました。

日本のメディアを通じては知られていない、こんなことがあった、起こっている、がたくさんあって驚きましたが、そういった本筋の内容とは別に、2つ大きな違和感を感じたことがあったので書きます。


ひとつは、当時の首相がインタビューに応じて隠された事実について説明をしているのですが、極めて重大な事項であるにも関わらず当時も今に至っても自国民に対して発信していない内容をなぜか海外のメディアに淡々と述べている、ということ。

少なくとも在任中にはよくも悪くも日本中の注目を浴びていて、何かを伝えるとか、説明責任を果たすという立場にあったはずなのに。

身の危険があったということなのかもしれませんが、再生可能エネルギーよりも命懸けで取り組む決意で臨むべきだったのではないでしょうか。そもそも、ちゃんと伝わるタイミングで伝わるように言わないと伝わらないのに、なんとも不思議な話です。

もうひとつは、東電の広報。
これは当時からの記者会見などでも同様ですが、メディアの前に登場するのがいつも罰ゲームで選ばれた内向きサラリーマンというふうにしか見えないこと。

このVTRの終盤でインタビュアーに問い詰められるシーンがあるのですが、そもそもその質問に答えるべきは社長か担当役員かいずれにしても組織を代表して公式な説明ができる人であるべきはずです。

記者会見などでも広報の人はいたんだと思いますが、パブリックリレーションとして文字通りパブリックな対象に何かを伝えるという基本的なことが何もできていません。


内向き、組織の理論、保身、言い訳、言い逃れ、後だしジャンケン

元首相にしろ、東電にしろ、自らが果たすべき責任についての自覚と当事者意識の欠如に唖然とさせられます。


日本のメディアが悪いという議論もあるようですが、そもそも当事者が責任を持って適切なタイミングで正確な情報を伝える、理解してもらう、評価を受けるということについて、この国の政府も企業ももっとよく考える必要があるのかもしれません。

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