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テクノロジーとライフスタイルの未来を夢想しよう

クラウドコンピューティングは本当に安上がりなのか?

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クラウドコンピューティングのメリットとして、コスト削減が挙げられることが多いですが、さて、本当にそうなのでしょうか?
HaaS、IaaS、PaaS、SaaS、などレイヤの違いを問わず、所有しないという点で機材や開発などの大きな初期投資がからず共有型によるコスト分散により効率的になるはず。。。

ふと、そこでITシステム以外で同じようなモデルの例は何があるんだろう?
それはコスト的にどういうバランスになってるだろう?

と、考えてみました。

すぐに思いついたのは住宅。例えば持ち家とホテル住まいだとどうでしょう?

都市部で2LDK 60平米くらいの住宅を5000万円で買って10年住んで4000万円で売却したとすると、差額は1000万円。
10年間の間にメンテナンスや修理などで300万円くらいかな。
水道光熱費で300万円くらいでしょうか。。
その他税金やなんだかんだかかるとして、月額の費用は20万円ほど?

一方、同じくらいの間取りのホテルで長期契約のディスカウントしてもらえるんじゃないかという期待を込めて考えると、一泊1万5千円として、月額45万円。

アレま、所有するほうが安いじゃん。。

まあ実際には好きな家具に囲まれて過ごしたいとか、いろいろ志向があったりするので、単純に比較するのは乱暴ですが、クラウドベンダーの方の話でも、なんだかんだ言って同じシステムを使い続けるとしたら数年でコストは同じくらいになるのではないかという話を聞いたことがあります。

クラウドのほうが断然安いかというと案外そうでもない。

しかし、住宅でもシステムでも短期的に見れば頭金を払うわけではなし、初期投資もほとんどかからないということで、仮に1年だけと考えればずいぶん安上がりというのが大きな違いでしょうか。

また、住宅でも、仕事の関係でよく引っ越すとか、家族が増えて間取りを広くしないととか、そういうことまで含めて考えると買ってしまうとなかなか難しい面が出てきます。
また、毎日の掃除などホテルでは料金でやってくれることを、自宅なら自分で頑張るわけですが、企業活動では人を雇うことになる(運用などという意味です)わけで、固定費がかかります。

つまり、拡張性や柔軟性を確保して変化にすぐ対応できるというのが、クラウドやホテルのようなサービスを受けるメリットということになります。

このほか、ホテル暮らしの快適さがいいとか、一方では自分のスタイルで生活したいとかあるでしょうし、企業でも、このシステムは競争力のために独自でなければならないとか、汎用的なものは何でもいいとか、いろいろ観点があるでしょう。

単純に短期的、あるいは長期的なコストというある時点での算定だけで考えるとどちらが得か、というような議論になってしまいますけれど、本質的には、経営体質をどのように強いものにするかというポイントで見ないといけないわけです。
スピードとか、筋肉質とか、変化に強いとか、そういうった言葉で語られてきた企業マネジメントのあるべき姿を実現するひとつの解としてとらえていくことが肝要なのです。

そして、、ユーザ企業だけでなく、提供側(ベンダー)や、導入に関わるSIやコンサルタントも、何をどのレベルで所有し何をサービスとして活用するのかを見極めて判断していく必要があります。

いろいろな方たちとお話していても、このあたりはまだまだ模索中であったり、試行錯誤であったりします。
経営課題の解決策としての、サービス化、クラウド活用は、まだ緒に就いたばかりですから、当然でしょう。
とはいえ、単にBuzz Word、ベンダーの売り文句としてもてはやされて終わってしまうには余りにももったいない、ITの機会だと思いますので、うまく生かしていける道を見つけていきたいですね。

ちなみに、
現在、企業のクラウド活用をITシステムへの投資や利用という観点だけでなく経営課題の解決手段として捉え、提供側、利用側の情報共有、メソドロジーの識別、活用を通じた市場の活性化などをめざす取り組みについてベンダー、コンサルタント、ユーザ企業有志のみなさんと準備を進めています。
もう少しかたちになってきたら、もう少し詳しくご紹介させてください。


ま、ひとまず今日のところは、雑談レベルということで... :)

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