ホテルと旅館てどう違うの?
市場調査の一環で、ホテル業界の売上規模や客室数などを調べてます。
当初は、まあホテルはホテルなんだから、わけないだろうと考えていたのですが、実際に調べはじめると案外ひっかかるところが、いくつもでてくるものです。
ホテルの業界規模はすぐに出てきました。国内ホテル業の市場規模は1兆7千億円程度だそうです。
ところが、ふと考えてみると、これって旅館は入ってるの?、ラブホテルは?
という次第。
一般的に、ホテル業界という場合には、どうやらシティホテル、リゾートホテル、ビジネスホテルなど仕事や旅行などで宿泊するいわゆるホテルのことを指し、統計的には旅館は別カテゴリとして扱われるようです。
また、いわゆるラブホテルも別カテゴリとして分類的には「その他の宿泊施設」と呼ばれてたりすいることがわかりました。
さらに、簡易宿泊施設なるものがあったり、民宿なんかの場合は規模によっては旅館に分類されることもあるようです。
さて、ホテルと旅館の違いですが、旅館業法などでホテルは客室が9平米以上であるのに対し、旅館は7平米以上とか、寝具が洋風か和風か、部屋に浴室があるかどうかなどの規定があるのを見つけました。この区別にどういう意義があるのかはよくわかりませんが、ホテルと旅館は法的に違うものとして位置づけられていました。
感覚的にとらえると、ホテルは洋間・旅館は畳、ホテルはビジネスライクで旅館は女将さんがいて家業でやってる、というようなイメージでしょうか。
市場調査としては、目的に応じてこれら区分をどう使っていくかを考えなければなりません。
例えば、ビジネス(出張)で宿泊する施設でのインターネット接続環境に関してということであれば、主に「ホテル」の市場を取り上げることになるでしょう。一方、宿泊施設の厨房設備や食材供給で考えるとホテルと旅館はひとまとめでもよさそうです。はたまた、客室用のアメニティグッズであれば、ラブホテルも含めることになるでしょう。
市場調査の際には、さまざまな観点からの統計データを集めて整理していきますが、それらの統計データはそれぞれ特定の観点(法的な区分や、業態業容などの区分、ユーザ別の区分など)からとりまとめられているので、実際には必要な情報に組み立てなおす、あるいは取捨選択する必要があります。
このとき、適切な調査結果を出す(作り上げる)ためには、その調査の目的が何なのかということを明らかにし、それに基づいた方針に沿うべきということになります。
市場調査の対象を挙げるときには、漠然と宿泊施設の代名詞として「ホテル」という言葉を使うかもしれませんが、誰に何を提供しようとするケースなのか、あるいはどういうシーンで最終消費者は誰なのか、という観点で、場合によってホテルと旅館は厳然と違うものであったり、同一区分のものになったりするわけですね。