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ダイエー 樋口社長退任

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昨年5月に、日本HP社長からダイエー社長へ転進された樋口氏の退任が正式に発表されました。
就任時、IT企業、中でも外資系リーディングカンパニーの日本法人社長が、大手日本企業の再建、経営を担うということで非常に注目された人事だったと思います。
そういう意味では、1年半足らずでの退任というのは残念な出来事ではないでしょうか。

もっとも、僕自身は樋口氏におめにかかったこともないし、ダイエーや丸紅、産業再生機構などの事情についても新聞やネットで伝えられることしかわからないので、あまり感覚的な感想を述べるのは適当でないかもしれませんが、少々考えたことを書きます。

外資系ITの日本法人社長という存在は、”日本営業所長”と揶揄されるごとく、「所詮、日本法人の社長だから、経営者ってのとは少し違うよね」という話もちょくちょく耳にします。

実際、営業の数字(売上)目標達成だけに責任と権限があり、技術やマーケティングは見ていないということもままあります。すごいのは、本当に売上だけが評価指標になっていて、コストは見ていないどころか把握のしようもないというケースもあるようです。
しかも、天の声で本社から降ってくる売上目標に届かないと、1年くらいで交代してしまったりします。

これは、グローバル展開しようとする企業のオペレーションのポリシーだとか、日本市場に対する考え方にもとづいてそうなっていたりするわけですが、どちらかというと、この縦割りレポートラインや本社コントロールが強いと、顧客との関係も微妙になってしまうことも多く、日本に進出して長い企業でも試行錯誤が繰り返されています。

話を戻して、外資系日本法人社長から日本の大企業の経営者への転進として、樋口氏の例はエポックメイキングだったと思います。経営者としてのキャリアパスを考えるとき、たとえ業界は異なったとしても通用する「経営のプロ」たらんとした氏の志に共感した人も多いでしょう。また、それがITの世界からのチャレンジということで、関心を持って見ていただけに、その早すぎる退任には(外野の目からは)驚かされました。

異業種からの転進としては、ナビスコからIBMのガースナー氏などが有名ですが、まあ向きが逆とはいえ、これからもITから異業種、あるいは外資系から日本企業へというようなチャレンジと成功例が続いて欲しいですね。

また、樋口氏の次のチャレンジのニュースも楽しみにしていたいと思います。

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