元祖○○だって言われると、買っちゃう?
例年この季節には冷し中華モードになるわけですが、先日、「元祖冷し中華」でとして知られる神田神保町の揚子江菜館で五色涼拌麺(その元祖冷し中華の正式名称)をいただきました。(初めてです)
ランチタイムにわざわざ地下鉄に乗って出掛けたわけですが、そこは単に冷し中華好きというだけでなく、やはり「元祖」というブランドが動機づけになっていたりします。
そう、人はなぜか「元祖」に弱いものらしい。まあ、普段は元祖かそうでないかはあまり気にしていませんが、「これが(ウチが)元祖です!」って宣言されると、つい・・・
ほかに元祖○○の例はなにがあるかな?とちょっと考えて見ますと、そうそうありました、あれです。
元祖柿の種、
新潟にある浪花屋製菓の柿の種
確かに、これが本物っていう気がしちゃいますね。
つまり、元祖=本物、正統派というなにかいいものに思えてしまうんでしょうね。
実際、湯沢温泉あたりでお土産買うときに、やっぱこれでしょー、となります。
実際には、どこが本家だか発祥の地だかわからなくなっているようなものとか、ほかに特にあるわけでもないのに「元祖」がついているものもたくさんあります。元祖天才バカボンとか。とにかく、元祖というのは定冠詞のTheみたいなもんですかね。
またしても、こじつけですが、The○○であることは、ブランドとして他と明確に差別化された唯一のものというポジションを占める(乃至は占めているかのように見せる)効果が少なからずあるようです。
もし、元祖って書いてあるお店と、そうでないお店が並んでいたら、どうせなら元祖のほうに入るという人も多いのではないでしょうか。
すなわち、顧客のaquisitionに貢献するブランド資産ということになります。
では、IT分野で「元祖」のブランド価値はどうでしょう?
意外に「元祖○○」って思いつきませんね。元祖ERP?元祖ルーター?元祖CPU・・・?
うーん。誰も元祖って謳ってないかも。
最初に商用化された(場合によっては商業的に成功した)という観点でいくと、元祖PC=IBM PC、元祖表計算ソフト=ロータス1-2-(ほんとはビジカルクかな?)なんてのがありますね。
元祖RDBMSはオラクルのようです。ちょうどITメディアの記事に出てました。
↓
RDBMSの進化の歴史をおさらいしよう
もしかしたら、ITとかハイテク領域では「元祖」はあまり意味がないという仮説も成り立つかもしれません。
IBMはPC作るのやめちゃったし、ロータス1-2-3は、Wikipediaによると2001年以降バージョンアップしていないそうです。おお、まだディスコンじゃあないんですね。(^^ゞ
一方、オラクルは、RDBというよりデータベースの代名詞(ホッチキスみたいな感じで)になっていると言っても過言ではないですが、元祖だからそうなったというわけでもない。(お恥ずかしながら、先述の記事を読むまで、初の商用RDBMSがオラクルだったとは知りませんでした。)
やはり、「元祖」がブランドになるのは、ある程度歴史と伝統がその商品に信頼や深みを与えるような場合ということになるようです。
テクノロジープロダクトの場合、進化の速度も速いので歴史や伝統があまり関係ないことがほとんどで、それこそ深みはあまり評価軸になりません。信頼性に至ってはまた別の問題。
そういう性質は、これからもずっと続くのか、あるいはいずれ元祖○○が選択基準のひとつになるような日が来るのか。来なそうな気がしますが、どうでしょうかね?
PS.
ちなみに、揚子江菜館で食べた冷し中華は、今シーズン22食目です。さあ、シーズン中に何食いけるでしょうか?(^_^;)