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2006年の音楽ダウンロード市場と今後

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日本レコード協会から、2006年の音楽ダウンロード市場についてのデータが発表されました。

通期の実績は以下の通りです。カッコ内は前年比。

http://japan.cnet.com/news/media/story/0,2000056023,20343836,00.htm

  • 合計
    ダウンロード回数:3億6806万回(37%増)
    売上高:534億7800万円(56%増)
  • インターネットダウンロード
    ダウンロード回数:2390万回(153%増
    )売上高:50億2700万円(172%増)
  • モバイル
    ダウンロード回数:3億4414万回(33%増)
    売上高:482億4000万円(49%増)

monstar.fm も少しは貢献してるはずですが、こういうのってどうやってカウントされるんでしょうね~。

それはともかく、もともと、日本の音楽配信についてはl、着メロ/着うたのお陰で携帯がパソコンに比べて圧倒的に大きな市場だったわけですが、さすがに成長性という意味では、パソコンでのダウンロードが前年比で172%増という驚異的な成長をしているのに対し、携帯の方は49%とパソコンに比べると成長が鈍化してきているようです。

携帯は今後は公式サイトから非公式サイトが増えてきて有料ダウンロード比率は下がるでしょうし、着メロ/着うたも相当浸透して飽和状態に近づきつつあるので、成長性という意味では携帯は頭打ちとなり、パソコンでの音楽ダウンロード市場は今後も注目されていくことになると思います。

音楽業界全体で見ると、音楽CDの市場規模が3500億円ぐらいなのに対し、ダウンロード全体で534億円なので、まだ15%ぐらいの市場ということになります。ただし、ダウンロードの場合は曲あたりの単価がかなり下がっているので、実際に聴かれている回数といった指標にもし置き換えれば、もっと大きな地位をインターネットが占めていることになると思います。

問題はこのCDからダウンロード配信(またはストリーミングなど)にシフトしていくスピードと将来の落ち着きどころがどのあたりの数値になってくるか、ということかと思います。音楽の作り手からすると、音質等のクオリティは当然ながらとても重要で、できるだけ高音質な音楽を届けたいと思っているるわけですが、携帯での音楽市場がこれだけ定着したことからも、リスナーはちょっと音が悪くでも聴きやすかったり安かったりすることを望んでいるといえます。(もちろん、皆がそうというわけはないですが)

一度CDからダウンロードにシフトした人というのは、使い分けている人もいますが、殆どの場合はもうCDは買わないというとこまでいくと思います。ということで、音楽ダウンロード市場は今後もこれぐらいの成長は継続していくように思います。monstar.fm はCDも販売してますし、多様性ある音楽をリスナーに届けることがミッションだと思っていますので、媒体にこだわるつもりはありません。CDが売れ続けてもいいし、ダウンロードが主体になってもOKです。ただし、時代の流れをきちんと読み、将来に対して継続性のあるサービスを展開していく必要があるとは思っています。

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