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リスナー、アーティスト、ビジネスの3つの視点で音楽の未来を考えます

インターネットでの買い物

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この前、ある居酒屋(チェーン店)に行くと、メニューのオーダーがテーブルに設置されたモニターからタッチパネルでできるようになっていました。一見便利のようですが、これがとても使い辛くて、このサービスは失敗だなと正直思ってしまいました。

うまくいかないと思った理由は、

1.通常ならメニューを見て店員に○○くださいと言えばいいのに、わざわざ画面で検索→選択→確認→決定というボタン操作が面倒である。

2.ボタンを押しているうちに、何度も意思決定させられるので勢いで選べない。(値段の妥当性が気になってしまう)

3.紙のメニューのように、大きく広げて色んな料理を一度に表示したりめくったりすることができない。

といった感じです。

1や3は理解してもらえると思いますが、意外と大きいのが2で、ネットのサービスでもよくあるように、確認ページで「本当にいいですか?」と聞かれると不安に思ったりするもんなんですよね。

今度は逆の例なんですが、これも最近、古本屋に行って本を探していた際に、その棚割りがとても不便に感じました。その日、僕は最初から何人か探している作家がいて彼らの本を買おうと思っていたのですが、その古本屋では、本が出版社ごとの棚に分かれていて、さらにホラーとかサスペンスとかあるジャンルについては別途棚が分けられていました。新着のようなコーナーもあったので、僕はその数名の作家の本を、①出版社ごと、②ジャンル、③新着コーナーの全てで探さないといけないことになりました。

欲しい物が決まっている場合は、ネットの方が遥かに楽だなと思ったものです。電子データならたとえ検索の切り口はいくつもあっても、例えば「コメディ」「○○出版」「か行」「2007年出版」といった感じで多くのラベルを貼って検索でヒットさせることができますが、書店ではたくさんの在庫がある場合を除き、複数の棚に置くことは難しくなります。古本屋なんて1種類の本が1冊しかないことの方が多いので、どこかのカテゴリに入れるしかないわけです。

ということで、この2つの例から、ネットが良いとか紙や他の媒体がいいかというのは普遍的なものではなく、何を対象にしているか、どんな目的で使われるかといったことによって決まるということを改めて感じました。

また、ある商品を買おうと意思決定する場合、ネットだと何度もクリックしないといけないので、最終的に購入に至る判断をするのは実際の店舗で買うよりもずっと勇気が要ります。しかしこれも自分を振り返ってみると、確かにネットで最初に購入する敷居はリアルのショップで買うよりも敷居が高いですが、慣れてくるとその感覚が無くなり、今度はインターネットの方がリアルで買う以上に簡単に買ってしまうようになっていきます。

僕の場合、Amazonがそれに当たります。何度も買っているうちに、便利なので5冊ぐらいカートに入れてまとめ買いしてしまうのですが、恐らくリアルの場ではもう少し慎重に選んでいるような気がします。或いは、携帯電話で着うたを若い人が買い過ぎてしまうというのもその例だと思います。これはお金が見えないからだと思いますが、お金がクレジットカードや携帯に入ってしまって目に見えないとういうのは怖いですね。


これからは、音楽や映像と同じように、お金もデータになってしまい、どんどん物理的なお金は使わなくなっていくんでしょうね。データの移動だけで済んでしまうのは少し怖い気もしますが、利便性には勝てない気がします。既にお財布ケータイ、クレジットカード、マイレージ、ETCといった具合にお金を持つ必要がなくなってきています。せめて重たい携帯を持ってお金を払っている感覚を持った方がいいかも!なんてちょっと思いました。

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