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あの「ワイルド・カード」が映画になるかも!

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 日本では「大いなる序章」「審判の日」「宇宙生命襲来」の邦題で創元SF文庫から刊行された、名作SF「ワイルド・カード」シリーズが映画になるかもしれない。そんな噂が浮上、しかも原作の編者である人気SF作家JG.R.R.マーティンが脚本に参加、さらに製作総指揮を務めるらしい、っていうんだから、SFファンもアメコミファンも無視するわけにはいかない。現状、ある映画会社が映画化権を入手したってだけらしいんだが。

 原作は「ワイルド・カードと呼ばれる謎のウィルスに人類が感染、生き残った人々はそれぞれ個別の超常能力を持ってしまった世界。評価される形で使える能力を持つようになった者は<エース>と呼ばれて人気者になり、そういう使い方が難しい能力を持った者は<ジョーカー>と呼ばれて差別されている」という設定を共有し、人気SF作家たちが独立した作品を書くという連作シリーズ。87年にスタートし、今も同じ設定の作品は書かれ続けている。

 この設定から連想する通り、もちろん、作者たちが意識したのは、アメコミのスーパーヒーロー世界の再解釈。なので、SFファンは、この頃のハリウッドで続々製作されているアメコミ映画のヒーロー再解釈を見ながら、これって「ワイルド・カード」だよなあ、なんて思ってたのだ。「タイガー&バニー」なんかもそうだけど。

 ちなみに「ワイルド・カード」シリーズは1987年にスタートしたが、アメコミ界でもそれまでのアメコミ・ヒーロー像を覆す「バットマン:ダークナイト・リターンズ」と「ウォッチメン」が1986年スタート。時期が同じなのが興味深い。そして、実はこの頃のハリウッドのアメコミ映画で、出来のよいものはだいたいこのヘンのヒーロー再解釈の影響を受けているのだ。

 そこに本家、「ワイルド・カード」が、それもこのシリーズの発案者G.R.R.マーティンの製作総指揮で映画化されるなら、これは見ないわけにはいかないってもの。しかも映画にするなら、どのエピソードをピックアップするのかもかなり気になる。

 しかし、こんな企画が浮上するのも、マーティンのファンタジー「七王国の玉座(Game of Thrones)」をHBOがTVシリーズ化、これが全米で大ヒットしたおかげ。このTVシリーズにもマーティンは脚本で参加、なんと11話分も書いている。「ワイルド・カード」も見たいけど、その前にこっちの日本放送もぜひ。
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