システムの高度化でサービスが低下する話
このところ各分野のシステムの高度化が目覚ましい限りです。
いまの時期で言えば、確定申告など10分足らずで終わってしまう時代となりました。
事実、私は正月明け早々にe-taxで手続きを終わらせてしまいました。
しかし、システムは高度化したものの、
それを使うユーザー側は逆に使い勝手が悪くなり、
サービスが低下したと思われるものも少なくありません。
今回は、そんな本末転倒な事例をいくつか挙げてみたいと思います。
1.コールセンター
とある銀行の話です。
口座を持っていた支店が統廃合となり、
随分遠くなってしまったので、
その店舗で作った定期預金を解約することにしました。
そこで、新店舗へ電話して、
新店舗より近くなってしまった既存の支店でも、
解約手続きはできるかと尋ねることにしました。
さっそく電話してみると、やはり今どきのコールーセンターにつながりました。
まあこの人では答えられないだろうなと思いながら、
上記の件を尋ねると、「担当につなぎます」との定型回答。
長い保留の後、ようやく担当らしき人につながる。
私から「お尋ねした件ですが・・・」と切り出すと、
相手は「すいません、お尋ねの内容は引き継がれてないんです」とのこと。
私は少し驚きましたが、また同じ内容を質問しました。
すると相手は、
「了解しました。では、お名前と口座番号と連絡先を教えてください」とのこと。
私は「聞いてどうするんですか? 私は"他店舗でも解約できるかどうか"だけ知りたいんですが?」と聞くと、
相手は「口座状況も確認させていただいて、折り返しこちらからお電話します」とのこと。
私は、こんな局面でOne to Oneマーケティングをして貰いたいのではなく、
ただ、"多店舗でも定期の解約が出来るかどうか"知りたいだけだったので、
「そんな丁寧なことをしてもらわなくても結構です。出来るかどうかだけ教えてください」と伝えました。
すると相手は「あ、あ、あ、ちょっとお待ちください」と言ってまた長い保留。
ようやく出てくると「出来ます、大丈夫です」との返事。
そこでようやく話は終わって電話を切りましたが、ここまでの所要時間は軽く5分を超えています。
銀行側としては、
「問い合わせを一元管理し、顧客情報を把握したうえで、
できるだけ次のアクション(来店・提案)につなげたい」
という、合理的で高度なシステムを構築しているのでしょう。
しかし、実際のところは、こちらをイライラさせるだけのサービスとなっています。
これなら、色々な問い合わせに対応できるスペシャリストをおいて、
その人物がすぐに電話対応した方がよっぽどスムースといえます。
2.ロボット配膳
近頃は、注文した料理をロボットが配膳する飲食店も珍しくなくなりました。
一生懸命に料理を運んでいる姿は、見ていて楽しいものですが、
ここで騙されちゃあいけません(笑)。
ロボット配膳、実は配膳をしているのではなく、料理を持ってきているだけです。
だれが配膳しているのか、それはお客が自分で配膳しているのです。
人間のホール係ならちゃんと配膳までしてくれますが、
ロボット配膳はお客がロボットの棚から料理を取り出し、
自分のテーブルに置かなきゃいけないのです。
システムは高度化したが、サービスが低下した典型的な例でしょう。
3.インターネット広告
このところのインターネット広告には、スマホ、PC用共に驚くべきところがあります。
とくにニュース系サイトの広告は、表示サイズが大きくまた大胆になってきました。
なかには浮いているかのようにようにスクロールに対応してついてくる広告枠もあり、
ネット広告の表示技術の進歩はまた一段とすすんだように見えます。
しかし、時には、
どこをクリックすればこの広告は消えるのか?
と判らなくなることもしばしば。
また広告を消す「×」や「close」ボタンも小さく、
誤って広告をクリックしてしまうこともしばしば(笑)。
さらに、広告がいっぱい出るものだから、
本文が読みづらく、
途中で完読を放棄することも時として起こります。
このように、広告を大量に表示するあまり、
本文が読みずらいのでは本末転倒と言えるでしょう。
これなら「もうBraveしか使わないぞ!」という人も増えるのではないでしょうか?
至急、再検討が必要だと思われます。
このようにシステムの高度化は、
本来利用するユーザーにとっても便利にならなければいけないものです。
しかしながら、逆にサービスが低下しているものも少なくないのです。
つまりは、
システムは企業の都合で高度化されたが、
その結果、ユーザビリティは悪化した傾向がみられる。
ということです。
いまはどの企業も、システムの高度化を進めていると思いますが、
それがユーザー、クライアント、顧客にとって
本当によいサービスとなっているかどうか再確認する必要があるかもしれませんね。