M資金は永遠に
M資金とは、かつて連合国軍最高司令官総司令部(GHQ)が日本で接収した財産などを基にした多額の資金のことである。この資金は、いまも極秘に運用されており、限られた人物に投資あるいは融資されているらしい。。。
というのは真っ赤なウソで、M資金とは、戦後何度も起こった詐欺事件のネタとなった架空の秘密ファンドのことである。その手口はだいたい同じようなもので、被害者に対して"特別に選ばれた"ことを信用させ、M資金による投資または融資を約束し、その手数料を被害者が支払ったところで詐欺師はいなくなるというものだ。このM資金詐欺には、これまでにかなり社会的地位の高い人たちも騙されたようである。
冷静に考えればそんな馬鹿な話がある訳ないと判るはずだが、「あなただけは特別である」「あなたは特別に選ばれた」といった甘いステータス感に酔ってしまう人が少なくないということなのだろう。昨今世間を騒がせているJ社問題も所詮は同じようなものだと推測される。
ちなみに私は、M資金の話ではなかったが、これまでに何度となく同じような投資話の勧誘を受けたことがある。あちらこちらで出会った人が実は勧誘の営業マンだったということがよく起こるのである。疑い深い?私はどう言っても騙されるわけがないのだが、なぜだか私をターゲットにした彼らは大変熱心である。
最近の傾向として、出会ってすぐに「いい投資案件があります!」という人はほとんどいない。まずは、普通の付き合いから始まるのが普通である。例えば、出会った当日は、「また情報交換をしましょう」「また飲み会をしましょう」などである。時には、「みんなでスポーツ観戦に行きませんか」「パーティしますので来ませんか」といった類のものもある。
こういった誘いに、なんだか怪しいなと思いながらノコノコ参加してしまう私も私なのだが、誘いに乗って彼らと接することにより、ひとつ判ったことがある。それは、私に接してくる末端の営業さんは、私を騙そうとしているのではなく本当にその投資話がいいと信じているケースが多いことだ。すなわち、少額ながらその営業さん達も投資をしていて、その配当なりの美味しい果実を"優先的に"受け取っているのである。
このシステムが判ってしまった私は、本気でその投資話をいいと信じている営業さんの勧誘はパワフルだし、そりゃ熱心になるよなあと妙に感心してしまった次第である。それと同時に、この営業さんたちをうまく動かすシステムを考えた連中に嫌悪感を覚えたのは言うまでもない。
このように、形を変え、姿を変え、時には恋愛感情を絡め、M資金は今もなおこの世の中をうごめいている。このブログを読んだ読者には大いに注意してもらいたい。自分だけ特別な儲け話など絶対にありえないのだ。