芸術でお金を稼ぐための戦略~芸術家として生活したい人のために
創造する作品やパフォーマンスで食べて行けるかどうかは別として、芸術家ほど誰でも名乗れるステータスは他にない。
なぜなら、誰もが「これは芸術である」と宣言すれば、その作品なりパフォーマンスは芸術として存在し得るからである。それに伴って、それを創造した人物は芸術家と名乗ることが出来るのだ。
しかしながら、芸術も各種色々あって、多くの人に受け入れられるものもあれば、残念ながらそうでないものもある。当然の如く、多くの人々に受け入れられる芸術はお金に繋がるが、そうでない芸術は持ち出しばっかりで全然儲からないということになる。
さらに言うと、お金になる芸術を作り出す事が可能でかつそれで稼ごうという意志を持っている人物が、職業的芸術家つまりプロの芸術家になることが出来るのだろう。
この関係性をグラフ化すると次のようになる。
縦軸に「人数」と「獲得出来る金額」をとり、横軸には「芸術に対する感性の分布」を取った。念のために書いておくが、横軸の「芸術に対する感性の分布」は感性の優劣を定めているのではない。あくまでも分布を示しているのみである。
そして、次のグラフに示すAの作品を作る芸術家は広く多くの人々に評価されることになり、お金をガッツリ稼ぐことが出来るはずだ。また、Bの作品を作る芸術家は、少しマニアックな作品になるのでカルト的な人気を獲得でき、いくばくかのお金は稼ぐことが出来るだろう。そして、Cの作品を作る芸術家は残念ながらわずかなファンしか獲得出来ず、お金もほとんど稼ぐことは出来ない。
もし、読者が芸術家ならば、どのような戦略で芸術創作に臨むかこれらのことを参考にして考えればいいだろう。芸術家として本当に作りたいものがAに該当する作品ならば、それはそれで幸せである。器用な芸術家であれば、どのような作品がAに該当するのか、入念に分析し創作活動に当たればいい。
しかし、本当に作りたいものはBやCであるにも関わらず、生活のためにAの作品作りを目指すのは芸術家として辛いものがあるだろう。また、本来の感性がBやC向きの芸術家ならば、Aの作品を目指したところで早々うまくいくとも思えない。じっと我慢して時代が変わるのを待つか(来るかどうかわからないが)、自らの感性を信じ邁進続けるのも芸術家のあるべき姿だろう。
芸術は、支持を受ける人数の差や獲得できる金額の差はあるが、その優劣は本来付けられないものである。だからこそ、芸術はそう簡単にはお金にならないと認識しておかなければならないのだ。