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現実となった「ヤシマ作戦」と「アオシマ作戦」

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最近Twitterなどのソーシャルメディアを通じてムーブメントとなった「ヤシマ作戦」、この「ヤシマ作戦」と聞いてピンと来た30代の方も多いのではないでしょうか。

前回の「計画停電のスケジュールをカレンダーで管理する」エントリーした通り、東北関東大震災で電力不足になり、節電が私たちのできることとして叫ばれていますが、Twitter上ではこの節電のことを「ヤシマ作戦」と名付け、関東を中心としたエヴァンゲリオンやアニメ好きな若者たちが協力を呼びかけました。

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地震翌日に東京電力が節電を要請してから数時間で、この「ヤシマ作戦」はアニメを知らないユーザも含めて爆発的に広まり、該当するつぶやきは1週間で60万件を超え、結果として予定されていた停電を回避することが出来ました。ソーシャルメディアの持つネットワーク効果が発揮されたのです。(写真は渋谷ハチ公前交差点。右ヤシマ作戦前。左:ヤシマ作戦後。街頭のみ点灯し大型ビジョンや広告などの照明が消えています。)

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実は僕はアニメ好きではないのですが、周りのスタッフにインタビューしたところによると、「新世紀エヴァンゲリオン」(1995年にテレビで放送された近未来のロボットアニメで、今でも多くのファンに絶大な支持を得ているようです。)の中で、主人公が使徒と呼ばれる敵を倒すために、日本中を停電状態にして攻撃兵器の電力を集めたという回がありました。(第六話の「決戦、第3新東京市」です)劇中ではこの作戦を「ヤシマ作戦」と呼んでいました。

この反響の大きさに、アニメの公式ブログでも「"全国から力を集める"エヴァ作品中での作戦名が、こんなときの旗印に使ってもらえるなんて、・・・こんな素晴らしいことはありません。」と追認しています。

また、ヤシマ作戦の他にも、お笑い芸人であるダチョウ倶楽部の「どうぞ、どうぞ」というギャグをもじり、買い占めをせず被災地に物資を譲りあう心を持とうという「ウエシマ作戦」や、(これも本人がブログで賛同しています)、ご存知「踊る大捜査線」の主人公、青島刑事の名ゼリフ、「事件は会議室で起きてるんじゃない、現場で起きてるんだ!」という、被災地の皆さんを応援する気持ちを持とうという「アオシマ作戦」等も話題となり、Twitterユーザーの間では、震災及び被災に遭われた皆さんへの関心が非常に高いことが伺えました。

ちなみに「ヤシマ作戦」という作戦名の由来は、(劇中では)狙撃戦と言う事から1185年、那須与一が平家の揚げた扇の要を射落とした「屋島の戦い」と、日本を形作る8つの島(本州・九州・四国・淡路・壱岐・対馬・隠岐・佐渡)になぞらえたことにあります。

ヤシマ作戦
エヴァンゲリオン公式ブログ
ダチョウ倶楽部公式ブログ

後藤康成(ごとう やすなり)
フィードパス株式会社 CTO 兼 feedpath Calendar 事業統括

シリコンバレー・ベンチャーを経て2000年ネットエイジ入社。ネットビジネスのインキュベーション案件およびテクノロジー投資案件などを担当。技術開発担当取締役、ngi group 執行役CTOを歴任しビジネス&テクノロジーと幅広い経験を持つ。2005年クラウドからビジネスアプリケーションを提供するフィードパスを設立する。ブログエンジン、Zimbraの日本市場展開。現在ビジネススケジューラーのfeedpath Calendar事業統括を担当。 著書として「Web2.0 BOOK」など。自身のブログはBlogot Twitterアカウントは feedpath

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