エンジニアのためのお金の話 〜ビジネスゲームで収益性分析〜
利益の絶対額で、その企業を評価していいと言えるのだろうか?
ビジネスゲームネタの続きで進めます。ちなみに、以前のブログはこちらです。
・ どうやって利益が生み出されるのか知っていても損はない 〜ビジネスゲームを通じた社員教育〜
・ 社内ワークショップ ビジネスゲーム 〜利益率が高ければ儲かるの?〜
・ 社内ワークショップ・ビジネスゲーム 〜儲かるってどういうこと?〜
売上に占める割合が大きければ利益は大きくなるだろうし、そもそも売上が大きくなれば利益の絶対額も大きくなる可能性は高いだろう。売上を大きくするためには、人や設備に資金を投じる必要もあるかもしれない。
手元に利益を産む源泉があるのであれば、それを有効に活用したい。もし、余っているのであれば活用したいと思うのが心情だろう。
収益性とは、企業の収益獲得能力であり、収益源泉に対する利益の割合と言える。堅く収益源泉としたが、要するに企業が持っている現金であり設備等である。有形であろうと無形であろうと問わない。つまり、総資産(総資本)である。
現場に近いと毎期毎期の利益の額、もしくは売上に対する利益の比率(利益率)が気になるだろう。が、企業は、そもそも利益を生み出す力を持っており、上手に活用すれば大きな利益を産むこととなる。これが、資本利益率の考え方である。
資本利益率の観点でビジネスゲームの結果を見てみる。利益は期間業績でありフローであるが、総資本は期首(もしくは期末)における企業のスナップショットと言えるストックである。故に、ストックについては期首と期末の平均をとって総資本として、資本利益率とするのが合理的と言えるがここではざっくり感でつかむために期末の情報を使うとする。
通期にてトップ企業のtomoki社と、ある企業を比較してみる。mtaneda社は8期〜10期までは利益剰余金(このゲームでの順位付けの基準)では最下位であった。が、15期あたりになると、tomoki社には及ばないものの2位グループに肉薄している。
10期〜14期を見てみる。
このmtaneda社は、売上高経常利益率では、13期を除きほぼtomoki社と同等水準と言える。売上に対する利益の比率はほぼ互角ということになる。
しかしながら、このmtaneda社は、総資本経常利益率でtomoki社を抜き、ほぼ上位を占めている。前述したが、総資本とは企業がもつ収益の源泉であり、このゲームでは、具体的に現金やたな卸資産(つまり在庫)である。限られた現金や在庫を使って、どのくらい効率よく利益を生み出したかが、ざっくり感にてこの総資本経常利益率と言ってもいいだろう。
このことが何を意味するのかも、ゲームに参加したプレーヤーで考えるとより面白くなると思う。
このビジネスゲームですが、新人のみならず中堅社員の方々への研修には面白いと思っています。
多くの方々からコメント・ご意見も頂戴し、感謝申し上げます。近いうちに、都内にて会場を見つけて、希望される方にご参加いただき、社外向けのワークショップの開催も検討しております。もし、ご興味があれば、引き続きコメントなどに書き込みなど頂けると幸いです。何卒、よろしくお願いします。