世界に通じるグローバルな起業家なんか意識せんでいいと思うし、そんなことを言う奴は納豆でも食っとけと思う。
世界に通じるグローバルな起業家なんか意識せんでいいと思うし、そんなことを言う奴は納豆でも食っとけと思う。 グローバル感覚は大事ですけど、今のネット業界、ちょびっと売れるだけですぐほっとってもグローバルにならざる得ないから、グローバルなんか意識せんでいいと思います。それよりも、会社やプロダクトや社長が持つ、強烈なアクと個性の方が65536倍大事だと思ってます。
世界中にあちこち進出してゲームスタジオを作って、バタくさい外国向けのゲームを作っていたソーシャルゲーム 会社は相次いで、撤退を発表している一方、バリバリ日本臭いテイストで国内でもくもくと開発されたパズドラや LINEが世界を世間しています。
LINEがついにユーザー3億人が見えてきて、パズドラがGoogleでも注目するくらいです。
LINE「ビデオ通話」「EC」「音楽配信」提供へ、年内3億ユーザーも視野
http://internet.watch.impress.co.jp/docs/news/20130821_612083.html
「パズドラ効果」がGoogleの決済インフラも脅かす- パズドラユーザーの決済でGoogleの決済インフラが限界
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1304/17/news084.html
GREEは、海外にスタジオを置いて、アメリカのカートゥーンネットワークにでも出てきそうな絵柄のソーシャルゲーム 「Zombie Jombie」を作って、ものすごい勢いで消えました。一方、パズドラの方は、ガンホーの社長が 「日本人はみんな、鳥山明さんが描いたドラゴンを見て育ってきたんだ」と指示して、あの絵柄になり、 海外版もそのまんまの絵柄でヒットしました。グローバルって何なのかわかんないです。
http://blogos.com/article/65800/
「日本人はみんな、鳥山明さんが描いたドラゴンを見て育ってきたんだ」- 『パズル&ドラゴンズ』成功の秘訣は"嫁レビュー"!?
http://www.gpara.com/article/cms_show.php?c_id=32577&c_num=37
ビジネス系のネットの記事を見ると世界に通じる起業家がとかなんとかいう記事が多いのですが、ぼくは そんなもんはいらんと思ってます。それよりも大事なのは、アクの強い個性ではないかと思います。 もちろん、マーケティングや現場の人間は担当地域や国にローカライズされた感覚は大事ですが、トップやプロダクトには グローバル感覚よりもアクの方がよっぽど大事だと思ってます。今の時代、ちょびっと売れただけで外国に行く機会が 勝手に増えるので、無理にグローバルな感覚をつけなくていいと思います。
ぼくが海外プラプラして、永住権まで取って、結局、日本で起業した理由は、外国で起業すると、どこをどうがんばっても、 ぼくは外国では「ガイジン」であり、何らかの法律上のレギュレーションがあり、現地の人間から見ても、ガイジンでしかないからです。 お金があれば、レギュレーションもどうにかなったりするのですが、起業直後だとお金もないですし、成功は難しいと思いました。 日本で成功してから、海外に出たほうが、よっぽど楽ではないのかと思いました。現在のシンガポールのように、外国人起業家助成の 仕組みがあれば、まだ、可能性あったのかもしれませんが、ほとんどの国ではガイジンには制限がつくことが多いです。
孫正義社長も、若い時にアメリカで一度、起業しながら、すぐに畳んで、福岡で起業したのもわかる気がしたのです。孫正義くらいメチャクチャな人でも海外で起業できないのに、ぼくみたいなヘタレで海外起業は難しいよなーと当時思いました。
世界を席巻した日本企業はグローバルなのか?
任天堂という世界を席巻したゲーム会社があります。今は赤字ですが、まだまだキャッシュリッチですし、世界的に 有名なゲームメーカーであることは変わりません。任天堂をゲームウォッチからゲームキューブまでの大躍進をした 社長である山内博元社長が非常にグローバル感覚があったかというと、トランプ時代の業績を見ると元からグローバルであったんでしょうけど、言うことなすことが グローバルな社長というよりも、京都のオッサンとしか言いようがないと思います。
たとえば、山内博元社長はインタビューで「世界的企業の任天堂はどうして、京都に本社をおいたままなんですか?」と 聞かれたとき「ワシの家も、先祖のお墓も京都にあるからや!」で一蹴しました。グローバルでもなく、東京でもなく、 大阪でもなく、京都の社長のお墓が基準だったようです。グローバルというより、パーソナルです。
任天堂のゲームボーイは乾電池式でした。本当は充電式バッテリーを載せたかったのですが、山内社長が 「ガイジンは充電してまで、あそばへんねや!」で一蹴したそうです。最初から世界市場を考えてたんでしょうけど、 グローバル感覚かというと、京都のオッサンのカンと勢いだけで、なんか違う気がします。この言葉のためか、そうでないのか、 任天堂の携帯ゲーム機は、ゲームボーイ、ゲームボーイポケット、ゲームボーイライト、ゲームボーイカラー、ゲームボーイポケット、ゲームボーイアドバンスまで、 約14年間、延々と充電池は実装されませんでした。しかし、ゲームボーイはギネスブックで世界で最も売れたゲーム機と 記されるほどになりました。
任天堂のマーケティングや現場はグローバルですし、ローカライゼーションもきっちりしてるかもしれませんが、コアとなる コンセプトはグローバルに媚びている感じはないです。
トヨタ自動車という世界最大手の自動車会社があります。いまだに創業家の末裔が社長をやっています。グローバルで コーポレートガバナンスで透明性高いIFRSでCSRがナントカという時代の公開企業で創業家が社長です。グローバリゼーションに 合わせるどころか、世界の工場で、ラジオ体操でカイゼンとQC活動を推し進めてきました。グローバリゼーションの波に 乗って「社内公用語を英語に!」なんかなりそうにもありません。グローバリゼーションというより、トヨタリゼーションです。グローバル買収とか英語化とかはどうなんだろ?
社内英語科でグローバル化だと言っていた、ユニクロは外国人をたくさん採用し、社内の英語化を進めていますが、 離職率の高さを指摘されています。また、一部報道ではブラック企業と書き叩かれていました。グローバル人材もやめてる人は、さっさとやめているようです。別ユニクロでもなくても、やめるときは、すぐやめるんですけど。グローバル人材がすごいとか、中国人留学生が優秀だと褒めちぎってましたが、やめられちゃったら、優秀もへったくれもないかもしれません。
楽天もグローバルだなんだと言っては、世界の会社を色々と買収されていました。buy.comを買収した時はさすがに驚きました。 カナダのkoboを250億円で買収して電子書籍事業に乗り出したのも、みなさん、ご存じのとおりですし、販売状況もご存じの とおりです。カナダという地球半周先の会社を買ったのに残念です。しかし、一方で、対抗馬のAmazonのKindleは日本の 千代田区の某社に発注して開発している部分も結構ありました。楽天さんはグローバルだ何だとかで、200万円のファーストクラスの飛行機に乗って、カナダのkoboと交渉しないで、160円の山手線に乗って、日本の中小企業にお願いした方が安かったんじゃないかと思います。koboのハードウェアの中身は カナダでもなんでもなく、台湾のEMSで汎用品を組み合わせて作ったものなので、サービス込みで、250億円の価値があるのか よくわかりません。
グローバルグローバルと言っている時代の今の日本製品は世界に通用しないのに、「ワシの家もお墓も京都にあるからや!」と 言っていた時代の日本製品は世界中に通じたのは、なんでなのか、いまだに僕にはわかりません。
追記:海外で頑張っている友人・知人も多いので、悪い気をさせたらやだなぁ。それを否定しているわけではないですし、グローバルだけで個性なかったらアカンよと言いたいだけです。
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