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Web2.0時代、企業は”モノ作り”の原点に戻る

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CRM、マーケティング戦略、ブランディング戦略、プロモーション戦略、、、、。広告費6兆円、販促費6兆円の大きな市場がこれまでの売る為のプロセスの大きなポーションを占めてきた。企業は、直接金にならない開発部門をカットし、4Pでいうプロモーションに異常な力を入れてきた。最近の学生と話していても、売れる仕組みや仕掛けの話しばかりで、わくわくするような具体的な商品やサービスの話はない。下手すれば、企業を時価総額に換算し、企業価値を短期間で上げ売り抜ける方法を自慢する輩もいる。

これは我々経営コンサルタントにも責任の一端はある。経営コンサルタント(特に大手)は”モノ作り”そのものに関わることはほとんどなく、企業全体としての道しるべを創ったり、様々な戦略を策定する上での方法論でフィーをいただいている。”モノ作り”そのものの重要性を説いても、プロジェクトはたたない。MBA的なアカデミックな考え方は、時に解釈を誤って流通する。

方法論は悪魔の媚薬だ。特に昨今、マーケティング理論はコトラーが意図していた顧客ニーズにあった(顧客満足度)を高める商品を開発する為の方法論からは外れ、とにかく商品力はさておき、その商品を”売りつける”方法論になってしまっているように感じる。競争力の価格で顧客をひきつけ戦略的なプロモーションを行い、販売チャネルを確保すればモノは売れる。商品は????不肖Ericから観れば、4Pではなく3Pにしか見えない。

Web2.0は、その斬新なネーミングから、さらに効率性を発展させたアカデミックなアプローチに見える。

ここで少し不肖EricなりのWeb2.0とはを最初に言うと、一言で

”ユーザを騙せない世界”

Web2.0は最初、技術的な変革に注目が集まり、”扱いやすく構造化されたXMLベースのxxxxxx”とか一般人には宇宙人の言葉で説明されたが、とどのつまり、難しい技術変革によって、ユーザーは簡単に情報発信できることになって、どんどん自己発信を始めたという事だ。

個人の情報発信力はすさまじい。新聞1日の情報量1000万文字に対して、Blogで発信される情報量は10億文字とも言われる。mixi、Wikipediaを1日に一度もアクセスしない日は無いという人も増えているはずだ。(mixiで会員約1000万人以上、一ヶ月約26億4300万PV、Wikipediaの日本での一ヶ月当たり利用者数約1296万人)

これは何を意味するのか??

不肖Ericは、こう解釈する。”いいモノ”が売れる時代が来た!

Web2.0で購買までの意思決定プロセスは大きく変化したと言われている。

所謂、AIDMAと呼ばれる有名な購買意思決定モデル:
Attention>Interest>Desire>Memory>Actionだ。
広告等によって注意喚起され、気に入った”モノ”が表われる。そのうち欲しいとより強い欲求にかられる”モノ”が残り、お店に行ったりWebで購入するという実際の行動に移る。このモデルの典型が広告主導モデルだ。より多くのCMを流し、広告を出す事によって、より多くのAttentionが喚起されれば後は一定の割合で売れる。最初の注意喚起でどれだけの数を稼げるのかがポイントなのだ。

それが、どう変化したのかが、AISASのプロセスだ。
Attention>Interest>Search>Action>Share
注意喚起されたものに興味を持ちネットやBlogで調べて、購入。ネットの世界ではその場で購入できるので、Memoryというプロセスがないのが特徴の一つ。そして購入した感想をブログで発信。しかし、このモデルでもAIDMAと同じではないか、最初の注意喚起する為には広告をいっぱい打たなければはじまらないではないかと思う人もいるだろう。

その答えがこれ、

このプロセス、さらにもう1プロセス先を見ると分かりやすい。つまり
1順目)Attention>Interest>Search>Action>Share2順目)Search>Attention>Interest>Action>Share
となると不肖Ericは考える。
1順目で公開された本当のユーザーの声で、一般的又は、同じような趣味を持った人がどんなモノに関心があるのかをネットで調べ、それが注意喚起となるのだ。つまり、ユーザの声が喚起の源泉となるという訳だ。

ポイントは、もちろんいい情報が多いのが望ましいのだが、逆に悪い情報が致命的になるという事。人は商品を購入し、期待値が大きいほど、裏切られた時のインパクトは大きい。広告でうまく騙しても、商品の質にユーザが満足しなければ、その情報がネットに流れる。それもポジティブな印象を持った時よりも多くの情報が流れる。そしてその情報が購買を予定している人の情報源となる。

長々書いてしまったが、不肖Ericの言いたい事まとめると、Web2.0時代は”いいモノ”を作り満足を与える事が、売れる為のなによりの前提となるという事だ。満足とは、もちろんサポートも重要なファクターとなるはずだ。とりあえず予算をたくさんつけて、有名広告代理店にお金をいっぱい払えば売れるのではなく、まずは”いいモノ”を作り出し、ユーザが満足する為のサポートをする。

今こそ日本の”モノ作り”へのこだわりが評価される時代が来たというべき。

まだ、日本が”モノ作り”への情熱が冷めていない事を期待するばかりだ。

Eric

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