Enterprise Architecture、中途半端な気持ちなら作らないほうがまし
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とかくこのITの世界は、キャッチーなキーワードが横行して本質的な目的を見失いないがちです。先日あるプロジェクトで納品したEAの成果物を見せていただいたのですが、明らかに“EAっぽく”無理やり資料を揃えているというものでした。おそらく作業しているエンジニアも、管理するマネジャーもリストに掲げられた成果物をひたすら作成する苦しい作業を寝ずに行ったのでしょう。苦痛だったと思います。そして、それらの大量な資料は、その後、日の目をみないのは明らか、、、。
以前にも書きましたが、Enterprise Architectureは、あくまで
“企業がある目的を達成する為の基本的なコンセプトから実際に目的を達成する実装を実現する為の成果物の集合体”
であって、“目的を達成する”というという目標を失った瞬間、ただの紙くずになってしまいます。闇雲に時間を使って意味も理解していない成果物を作成しても、余計に成果物の精度が低下したり、今までのやり方との違いから、ミスが多発するだけです。
本来の意味を理解してEAを作成するとすれば、まずはありもののリストと今ある資料をつきあわせて、不足した資料を作るという手順ではなく、この企業において目的を達成する為に実装を効率的に可能にするには、どんな資料が必要なのかを徹底的に考えるべきです。
最近のキャッチーなキーワードは、多くのバカ本を生み出し、それを安直に模倣しようとする、そして失敗するという悪循環に陥っていると感じています。
まずは、
考える事。そのキーワードを提唱した人が、どんな背景で、どんな目的でこのキーワードを生み出したのか、それをじっくり考え、自分なりに消化することが、どうも欠けているなあと思うわけです。
Eric
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