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デジタルとアナログの間を行ったり来たり

【ブロガーイベント@オラクル】離合集散は繰り返すが

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 Exalogicのブロガーイベント、もういっちょ。なんとなく期待できるところなど。

 システムの歴史は集約と分散を緩やかに繰り返していると言われている。どちらの方向が正しいという明快な答えはなく、一長一短のような気がする。そうした観点からすると、Exalogicは明らかに集約型であり、集めることのメリットを最大限に生かした製品だ。

 ハードウェア、OS、Application Grid(WebLogic Server、Coherence、JRockit/HotSpot)、Enterprise Managerなどをぎゅぎゅっと箱に詰めてしまった。より洗練した言い方だと「コスト最適な高性能・高密度アプリケーション基盤」。

 オラクルの説明によると、従来型との比較はJavaオペレーションで60%高速、DBトランザクションで2~3倍高速、対話型処理で3~10倍高速となるそうだ。いろいろと最適化されCPU負荷なども抑えられているので、使用電力も抑えられるのだとか。節電にも効果的というのはこのご時世には魅力的ではなかろうか。ずらーっとサーバーを並べて稼働させているくらいなら、ぎゅっとExalogicにまとめてしまうというのはありだろう。

 これだけパワフルだと新たな可能性も生まれるかもしれない。「“明日のあなたにおすすめのランチ”なんてBIだけじゃできないですよ」とオラクルの人が言っていた。誰かにランチのメニューをお勧めするシステムを考えると、過去の履歴を分析するだけでは足りないのだとか。さまざまなアプリケーションと組み合わせて答えを導き出す。そういうアプリにもExalogicは使えるかもしれないと聞いた。

 ちょっと想像してみよう。お昼前になるとスマホの画面に「ここのところランチにサンドイッチが続いているみたいから今日は海鮮丼でもどう?今日はいいブリが出てるらしいよ。これから小雨が降りそうだけど、この店なら地下道を行けば傘なしでも行けるよ。ほらクーポンつけてあげるから」なんて提案されちゃったりして。ちょっと不気味でもあるが、……面白いかもね。

 そうはいっても、まとめちゃうことへの不安もある。震災を経験した直後のせいか「1台でクラウドがすっぽり入るとか、まとめてすごいのはいいけど、それが津波や電力トラブルに襲われちゃったら?」なんて心配がよぎる。

 そういう話になると製品うんぬんというよりは、そのシステムを任されたアーキテクトの領域のような気がする。何らかの対策を採るのだろう。このあたりは明確な事例を示されることはなかったものの、ExadataやExalogicを使いつつも、うまく分散させる例も出てきているようだ。ふとGoldenGateData Guardが頭をよぎった。

 「物理的には分散させているが、全体として1つのシステムとして機能する」、そんなイメージのものが実際にあるというか、今後増えてきそうだというような話を聞いた。例えば3ヶ所の拠点に分散して配置し、それぞれに稼働していつつも、相互にデータを同期して全体として1つでもあるような。3人のようでいて1人のような……って聖書じゃないよ。

 そのうちに集合か分散かという話ではなく、集合と分散のいいところどりができるのかも。そうなると面白いかも。と、Exalogicからそんな将来に期待してみたくなった。

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