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デジタルとアナログの間を行ったり来たり

個人情報保護の過剰反応か

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 先日、都内の癒し系路線、都営荒川線で追突事故があった。身近にたまたま乗り合わせていた人がいて、ニュース速報よりも早くメールで事故を知ってしまった。

 その人は比較的軽傷だったため、周囲の被害者ともいろいろと会話をしたとか。中には病院の看護師さんで夜勤明けだった人もいた。勤務後の帰り道だったのに、事故に遭遇たためにけが人として勤務先の病院に戻る羽目になってしまったとか。

 そして事故翌日となる昨日、被害者宅に東京都交通局からあらためておわびのあいさつがあったとか。翌日となって申し訳ないと恐縮していたらしい。というのも、東京都交通局が病院に被害者の氏名や連絡先を問い合わせたところ、個人情報だから教えられないと拒まれたそうだ。それで被害者の把握に手間取り、翌日の謝罪となったとか。

 これもいわゆる個人情報保護の過剰反応だろうか。折しも6月14日に個人情報保護法について啓発する新聞広告があった。以下、その部分を引用する。

Q 大規模災害の緊急時に、けがをした家族等の情報は病院から教えてもらえるの?
A もちろんです。
このような人の生命、身体又は財産の保護に必要な場合は、例外として本人の同意がなくても、病院はけが人の情報を家族等に教えることができます。

 病院の慎重さも分からなくはないが、今回の場合なら東京都交通局もこの「家族等」に含めてもいいような気がする。法律の専門家ではないので断言はできないが。

 とはいえ、普段の都営荒川線はとてものどかな路面電車だ。どんなにかっ飛ばしても時速40kmがせいぜいである。だから沿線の歩行者や自転車に目をやればその人の表情もうかがえるほどだ。自動車と並んで走る部分もあるが、多くは専用の線路で住宅の軒下を通り抜けるような感じだ。駅に隣接した本屋や喫茶店もある。だがエチカecuteとは様相が全く違う。

 電車というよりはバスに近い。だからパスネットは使えない。バス共通カードや回数券、または現金160円だ。一度払えば終点まで乗れる。400円出して一日乗車券で乗り降りしてもいい。あと念のため、車内は無線LANに対応していない。いいではないか、そういうのも。

 おすすめは沿線のバラが咲く5月だが、いつかぜひ一度乗ってみてほしい。山の手線や地下鉄とも何ヶ所かで接続しているので、意外と便利だ。とてもゆっくり時間が流れていくのを感じられるだろう。

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