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デジタルとアナログの間を行ったり来たり

み~~んぽ~~~~

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 幸運にも弁護士の先生とお話する機会があった。

 話の折にふと弁護士さんが

「そういう時は民法709条が使えるんだけどね」

と言ったのだが筆者には何を指し示しているのか分からず、ぽかんと顔に「?」を浮かべながら「それは何でしたっけ」と質問してしまった。後から思えばかなりの愚問である。だが弁護士さんは不法行為だと教えてくれた。それで「はた」と気付いてこう答えた。

「…ああ(ぽんっ)。CMで見ました」

 今度は弁護士さんが顔に「?」を浮かべた。何のCMだろうかと。だが大した問題ではないので、どのCMかは素通りして話が進んだ。

 しかしうっかり掘り返してしまった記憶は筆者の頭をぐるぐると回って離れない。

 それはインテルのCMだ。法廷で判事が陰気に判決文らしきものを読み上げている場面で始まるが、「彼にインテルが入っていたら」と場面が変わると判事はオペラ歌手のように歌い出す。

 み~~んぽ~~~~。709じょ~により~~~~~~~~。

 これは強烈なインパクトだった。後でポケット六法を開いて民法709条が何を示しているか確認してしまったほどである。確かに「不法行為の一般的要件・効果」と書いてあった。理系育ちで法律に疎い筆者が「不法行為」の条項を初めて六法で見た瞬間だった。

 そうだ、そうだ。そうだった。709条は不法行為。実際にこれが法廷で出てくる時は悲痛または険悪な雰囲気に包まれているのだろうけど、判事が歌ってくれたら……(いや、どうだろう)。

 CPUのCMで法律を学べてしまった。え?。

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