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日本を環境立国にするために、ITベンチャーを飛び出して起業しました。

地域おこし協力隊という、時代の切り込み隊

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地域おこし協力隊という制度が、ドラマ『遅咲きのヒマワリ』や書籍『僕ら地域おこし協力隊』などを通じて、認知度が高まっています。ドラマのように美男美女がワイワイ楽しく活動しているというわけではありませんが、一方で現実にはもっと心を打つような瞬間であったり、達成感に打ち震えるような経験が味わえる数少ない仕事と言えるでしょう。


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全国各地の地域おこし協力隊の活動については、村楽LLPというネットワーク組織を立ち上げて、Webページやソーシャルメディアを活用しながら発信しています。今後、メディア機能を強化していく予定ですので、ご関心のある方は是非アクセスしてみてくださいね。


地域おこしとは何か、というのは協力隊員、地元の方々、行政にとっても普遍的なテーマです。制度としての一貫性はあっても、現実面では地域の数ごとにそのやり方は異なります。ここをこうすれば成功する、という安易な正解がない分野であるところが難しくもあり、面白いところです。とくに地域おこしに成功した事例を切り取ってみても、突破力のある個人の属人性に依存していたり、様々な要因が複雑に絡み合ってタイミングが合ったに過ぎなかったり、平準化するには難しい感じがします。


ドラマではそれぞれが自分の暮らしに折り合いをつけて、居場所を見つけていくことにゴールが置かれていた印象ですが、いわゆる「自分探し」と地域おこしは両立できないでしょう。自分は何者か、というグローバル西洋文明的な一神教のキャリア形成と、八百万な多様性を保持する日本の地域環境が必ずしもマッチしないのです。むしろ、自分はコレをやるんだ!と決めつけて地域に入るよりは、日々を過ごしていく中で地域コミュニティの中でなんとなく役割を見つけて、いつのまにか必要不可欠な人になっていたというような流れの方が上手くいっている印象です。


そもそも都市圏において支配的な、何かの専門職で一人前となって出世していくというキャリアプランは、すでにアフター高度成長な日本経済においては成り立ちにくくなっています。グローバル化(とリーマンショック等金融危機)の反動でナショナリズムが台頭してきている社会情勢ですが、尊王攘夷的な動きの発露として地域おこしという活動が脱原発などのリベラルな動きと結びつけられることも多いです。とくに東京⇒岡山に移住するといった動きは、本人の意思とは無関係に原発避難と言われることが多く、田舎でスローライフを的なイメージで見られがちです。


個人的には、その辺の二項対立レイヤーで世の中を見ているつもりはまったくないので、東京を中心に開国をガンガン押し進めて経済大国を復活させるんだ!という長州藩型開国志士たちと、地方を中心に環境と弱者にやさしいリベラルな地域づくりを成し遂げようという薩摩藩型攘夷志士に、いかにして薩長同盟を結ばせるかを仕掛ける役割を考えています。むしろ田舎において、東京でのベンチャーを立ち上げる勢いでどんどん事業を生み出していったらどうなるか、壮大な社会実験を進めている実感があります。


その表現の形がエンターテイメントであり、アートであり、グルメや音楽といった五感を直接刺激する分野にあることも分かっています。上山集楽での活動でも、そんな要素を取り入れることで都市の経済力と農村の生命力の融合を図っているつもりです。地域おこしの正解はよく分からないけれども、日本の未来がもっとも見える場所にいることで正解にしてしまおうという勢いがあるのは確かです。


事業計画とか長期的な戦略とかはまったくなく、それ面白いからやったらええやん、というノリでどんどん構想が実現していく現場の感覚について、巷で最先端と言われているITベンチャーの経営者の口から同様のことが言われていたのにはウケました。。

「日本人は計画が好きで、一度計画を作るとなかなか壊せず、戦略変更を時間をかけて説明しないといけない。計画を作らなければ、変えるのも簡単で、スムーズに動ける」

 戦略や目標も、あえてあいまいにするという。「もやもやして不安になるが、混沌があるからこそ、何かを生み出さないと生き残れないという緊張感が生まれ、新しいものを提案するプロセスができてくる。変化に柔軟に対応し、今求められているものを提供するのが大事だ」


そんなドラマを超えた現実、現場の悪ノリの空気感を是非味わっていただきたいですね。








当エントリに関連する過去エントリは以下のとおり。

日本の限界集落が必要な理由
地域おこしのエコシステム構築へ
新・上流社会へようこそ

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