自動車の「エコ替え」が正しい理由
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自動車産業は日本を代表する第二次産業であり、自動車メーカーから系列の製造現場まで含めると、かなり多くの雇用を生み出しています。だからこそ、自動車産業における環境対策は、日本が今後「環境立国」として世界に影響力を及ぼすためには重要な分野となります。
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自動車業界の環境対策としては、「エネルギー消費の効率化」「排出ガスのクリーン化」「事故防止による安全」という大きく3つの分野に分けられます。とくに、エネルギー効率化と排出ガス削減は相関する部分でもあり、ハイブリッド(HV)⇒プラグイン・ハイブリッド(PHV)⇒電気自動車(EV)という流れでの技術革新が進んでいます。
来年4月から車の燃費を公表する際の基準がより厳格化されることになり、自動車メーカー各社の間では、エンジンを改良するなど車の性能を向上させる動きが今後、加速しそうです。
エネルギー消費においては、自動車は日本の全エネルギー消費のうち約15%を占めています。ほとんどが二酸化炭素を排出するガソリンや軽油といった化石燃料であり、また海外に輸出している自動車を含めると、この自動車産業における省エネルギーの効果は地球温暖化対策として非常に大きなものとなります。
現在、ガソリンエンジンのエネルギー変換効率は最高で35%程度であり、それが走行時には10%程度の効率となります。つまり、40L給油しても9割の36Lは熱として捨てているような形となり、ヒートアイランド現象のような別の問題を引き起こしています。
HVになると、そのエネルギー変換効率がだいたい2倍程度となり、PHVではエネルギー変換効率が40%程度の電力を使うのでガソリンエンジンに比べて理論上は1/4のエネルギーで同様の走行ができるようになります。さらにEVになれば、、理論的には、まだまだ技術革新が見込める分野です。
だからこそ、国を挙げて自動車産業を"エコ"にしていこうという方針は間違っていないと思います。エコ替えやグリーン税制といった政策の表現の是非はあるかもしれませんが、少なくともまだまだ技術革新の余地がある分野に集中投資して雇用と国際競争力を維持することは国策として正しいと思っています。
また、すぐに自動車を買い替えることに対する批判もあったりしますが、LCA(ライフサイクルアセスメント)の考え方では、製造および廃棄によるエネルギー消費は4%程度に過ぎず、使用段階における燃費=エネルギー消費効率と資源採掘エネルギーを抑制するようなマテリアルリサイクルを進めることによって、自動車利用における大部分のエネルギー消費を改善することができます。
もちろん自動車産業は社会的に影響力の大きな分野であり、「まだまだ使えるモノを捨てて買い替えるのがエコなんだ」というメッセージを出すことによって他の商品まで買い替えを促進することがあってはならないとも思います。消費者としても、感覚的なイメージに惑わされずに、その理論的な裏づけを問い続けなければいけませんね。
かくして、環境コミュニケーションとは非常に難しい分野だったりするのです。。
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