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Microsoftが「Live Mesh」をデモ

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雨がちだった4月が、年度初めの慌ただしさもあってか、あっと言う間に終わりました。黄金週間後半からは気温もグンと上がってきそうです。

黄金週間前にはカリフォルニア州サンフランシスコで「Web2.0 EXPO San Francisco」が行われ、幾つかニュースがありました。中でも、目玉はMicrosoftが「Live Mesh」を披露したことでしょう。5月5日版のITmedia Podcast「マンデー・エンタープライズ」ではこの話題を取り上げてみました。

Microsoftは4月23日、かねてから予告したとおり、Web2.0 Expoで、同社の新たなファイル同期化フレームワークであるLive Meshを初めてデモしました。

Live Meshの本質は、パソコンとさまざまなデジタルデバイスをシンクロさせ、情報を最新の状態に保つことができる技術です。同社は、パソコンとデジタルデバイスを相互に認識し合えるようにし、サービスも付加していく「Software plus Service」戦略を掲げており、Live Meshは、その構想に対応するプラットフォームといえます。

最近のデジタルデバイスは、その多くが初めからインターネットへの接続機能を備えるようになってきましたが、デバイス同士が連携する、ということを意識しているものはごく稀です。

Live Meshは、ネットワークやパソコンを媒介とし、デジタルデバイスが相互に連携できるようにしてくれると考えればいいでしょう。

Web2.0 Expoでは、Live Meshの機能の一部を紹介するビデオも見せています。そのビデオは、母親が携帯電話で息子の写真を撮ると、離れた場所にあるパソコンや、空港でフライトを待つ父親の携帯端末などと自動的に同期化し、写真が表示されるという筋立てだったといいます。

現在、Microsoftのチーフソフトウェアアーキテクトを務めるのは、かつて、ピアツーピアでデータを同期化する技術をベースとしてNotesを生み出したレイ・オジー氏です。やはり似ていませんか? わたしは脈々と同じ考え方が受け継がれているのを感じます。

ただし、同じカンファレンスでO'Reilly Mediaの創立者であるティム・オライリー氏が、「Windowデバイスしかサポートしていないのに、そこまでの体験が得られるだろうか」とやんわりと釘を刺しています。

インターネットという巨大なメッシュでは、共通のものが求められます。Microsoftは近い将来、サポートを拡大するとしていますが、急ぐべきでしょう。サブセットを生み出しても、淘汰されてしまうのは歴史が証明しています。

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