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「敵の敵は味方」を地でいくYahoo!買収

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2月初め、業界を揺るがせたMicrosoftのYahoo!買収提案が、新たな展開を見せています。2月18日版のITmedia Podcast「マンデー・エンタープライズ」ではこの話題を取り上げてみました。

静観を決め込んでいた買収王、ルパート・マードック氏率いるメディアコングロマリットのNews Corporationが13日になって動きを見せました。傘下のSNS最大手であるMySpaceをYahoo!に統合させ、20%程度の株式を取得する交渉に乗り出したのです。

Microsoftよる買収提案が明らかになるや、Googleのエリック・シュミット会長がYahoo!のジェリー・ヤンCEOに支援を申し出るなど、まさに「敵の敵は味方」的な動きが報じられています。

合従連衡に走るダイナミズム感じますし、今回の騒動には幾つもの伏線があり、それも興味深いところです。

先ず、Microsoftは、2006年にもYahoo!と合併の可能性を探って交渉したこともあり、むしろ、満を持して買収交渉が始まったとみるべきでしょう。2007年に400億ドルだったオンライン広告市場は2010年には800億ドルに膨れ上がるとみられています。これをただ指をくわえて見ているわけにはいきません。特に大きな伸びが見込まれている検索連動型広告市場は約75%をGoogleに握られており、やられっぱなしです。

インターネット企業の先駆者であるYahoo!も、最近はいいところがありません。昨年6月、創業者のジェリー・ヤン氏がCEOとして再登板しましたが、独走するGoogleに対して効果的な手が打てずにいます。1月末、第4四半期の利益が大きく減少したことを報告、1000人規模のレイオフに踏み切ることも明らかにしたばかりでした。株価も、5年前の水準である20ドルまで下落していました。

一方、破竹の勢いのGoogleも、1月末に発表された第4四半期決算が、初めてウォールストリートの期待を裏切っています。Microsoftの買収提案は、まさに「絶妙のタイミング」といえるでしょう。

後から手を挙げたように見えるNews Corporationも実は2006年から事業統合を検討してきたのです。

魅力的なサービスはどの組み合わせから?

ただし、ユーザーにとってはオンライン広告のビジネスは関係ありません。今回の買収提案でいえば、むしろ、Yahoo!が社内や社外に築いてきた優れた開発チームこそが重要な資産ということになります。どの組み合わせから、最も魅力的なサービスを生まれてくるのでしょうか。

依然として最有力候補であるMicrosoftは、開発者に対するサポートでは定評のあります。インターネットに精通した開発チームを受け継ぎ、引き続きサポートしていけば、魅力的なサービスが生まれてくるはずです。

Microsoftのスティーブ・バルマーCEOは、Yahoo!買収の成否にかかわらず、Googleに対抗していくには、検索広告事業の規模拡大と研究開発の強化が必要だと話しています。彼はまた、新たな収益の機会を求めて、自社のすべての製品を「SaaS」として提供する計画も改めて強調しました。Yahoo!を買収することで、そうした流れが加速することは間違いありません。

みなさんにとってはどの組み合わせが魅力的でしょうか?

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